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成宮side
PM10:45
大抵の人はとっくに自主練を終えて、風呂も入り終わり、寝る準備は完璧だ。既に寝ている人もいる。
それは俺も例外じゃない。
この時間になると、汗だくのAさんが部屋に戻ってくる。
Aさんの部屋は俺の部屋の隣。
「お疲れ様です」
なんて声をかけてみると、
「ん、あー、鳴か。別に俺、女の子の家まで行ってただけだよ?鳴こそお疲れさん」
なんて、言ってのけるけど…
俺は知ってるよ。
Aさんは、ただプライドが高いだけだって。
人前で努力するのが、自分を出すのが苦手なだけで、本当は頑張ってんだよね。
だから、あんなすごい球投げられるし、嫌われていても皆に認められているんだよ。
「早く寝ろよ?」
「はい。Aさんもね?」
「俺はオールだから」
「いつ寝るんですか(笑」
「授業中(笑」
Aさんが冗談とか言っているのはレアなこと。
雅さんや翼くんくらいとしかそういう話はしない。
…樹にはするかも。
「さーて、さっさと風呂入って寝るか
お前も寝ろ」
「はい!」
「おやすみ、また明日な」
「おやすみなさい!」
そう言って、部屋に入ったAさんの背中を見送った。
「俺も…Aさんみたいなかっこいい人になれるかな…(ボソッ」
すぐにAさんが部屋から出てきた。
「まだ部屋入ってなかったのか。早く入れ」
「はい!」
俺が部屋に入ったのを確認したAさんが風呂へ向かう足音が聞こえた。
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ふー(プロフ) - 蒼葉さん» とんでもないです!!読んでいただき本当にありがとうございます!! (2019年2月17日 22時) (レス) id: 64d176cfc7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - とてもよいお話でした!!!この作品を作って下さりありがとうございます!! (2019年2月14日 7時) (レス) id: c28d4f2a15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふー | 作成日時:2018年11月16日 22時