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原田side
Aは、樹とピッチングをしている時、変化球をチェンジアップしか投げない。
俺が"受けるぞ"と言っても、本人は、
"いいから。俺は樹とやりたいから"
と、文句一つ言わず楽しんでいるようだった。
だが、さすがに全く投げないのは試合にも影響するだろうから、Aは乗り気じゃないが全体練習終了後にこっそり俺が受けている。
普通に自主練の時間にすると、他の人もいるので練習終了後すぐに、他の人がご飯を食べに行っている間にしている。
ほんの10分ほどだが、Aにとっては長すぎるくらいらしい。
「ラストね」
「まだ10球投げてないだろ」
「だって、スライダーも投げたし、チェンジアップも投げたし、カットも投げたし、他に何があるの?」
子どもに言い聞かせるように言うA。
「何言ってんだお前。一球ずつで良いなんて言ってないだろ
それに横スラだけで縦は投げてねぇだろ」
「いちいち細かいんだよ雅は。
やっぱ気が合わないなー、試合以外では(ニコッ
ま、そういうとこも嫌いじゃないけど」
少し顎を上げて上から目線にこいつはよく"嫌いじゃないけど"と言う。
その後、ちょうど10分間投げてから食堂へ向かった。
「そういうとこは細かいんだなお前は」
「当然。自分が得することはね」
「どっちが得かはわかんねぇぞ。」
すると、食堂へ向かっていたAの足がピタッと止まった。
「…へー、なるほどね。」
面白い玩具を見つけた少年のように笑うA。
こいつはよくこういう顔をする。
「つくづく思うよ。"
「?」
たまに俺は、Aの発言の意図がわからない事がある。
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ふー(プロフ) - 蒼葉さん» とんでもないです!!読んでいただき本当にありがとうございます!! (2019年2月17日 22時) (レス) id: 64d176cfc7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - とてもよいお話でした!!!この作品を作って下さりありがとうございます!! (2019年2月14日 7時) (レス) id: c28d4f2a15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふー | 作成日時:2018年11月16日 22時