16 ページ17
原田side
「雅、ちょっと付き合ってよ？」
突然部屋にやってきたこいつはまた、返事を聞かずに部屋を出ようとする。
「ここじゃダメなのか？」
「ダメだね。俺の気分が無理」
「そうか。何の話かだけ聞かせてもらえるか」
すると、フッと笑ったAは、
「雅が俺に聞きたいことだよ」
いつもの余裕そうな顔で言った。
俺がAに聞きたいこと…
心当たりは1つしかない。
Aがドアを開けた先に鳴がいたらしい。
俺に用があったみたいだが、後ででいいと言うので、一先ずAの話を聞くことにする。
俺達がやって来たのは、
稲実の野球グラウンドは、門のところから坂を上がったところにある。その坂の両脇は林になっている。
普段その林には人は入らない。
そこだった。
ここには街灯もない。
「雅には特別。」
と、外壁を触るA。
「この外壁がもし…」
静かに話すA。
「壊れたら俺のせいだよ」
暗がりであまり見えないが、Aは今、いたずらっ子のような笑みを浮かべているのだろう。
「ずっと…ここで投げてた」
コンクリートの外壁に向かって投球練習をしていたと言う。
するとAは、2mほどある外壁に飛び乗って座った。
「上から見る景色って最高だよね。
だから俺、マウンドが好き」
「そーか…」
「"俺が聞きたいのはそんな事じゃない"
って顔してるね」
「…見えねぇだろ」
「見えなくてもわかる
…なんてね(笑
月明かり」
外壁の上にいるAの影には満月が見えた。
俺からAの顔は見えないが、Aからは見える。
「大丈夫、雅の質問に答えるから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふー(プロフ) - 蒼葉さん» とんでもないです!!読んでいただき本当にありがとうございます!! (2019年2月17日 22時) (
レス) id: 64d176cfc7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉(プロフ) - とてもよいお話でした!!!この作品を作って下さりありがとうございます!! (2019年2月14日 7時) (レス) id: c28d4f2a15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふー | 作成日時：2018年11月16日 22時
