宙を舞う蝶 ページ22
瀕死の状態で、尚も強い眼差しを失わない2人の目を見て、義勇はとある確信を抱く。
「..お前達は」
っ!
キィィィン!!
瞬時に義勇は刀を振り、闇夜の向こうから飛んできた辻斬りを跳ね返す。
炭治郎達は、頭上すれすれを切った風圧に息を呑む。
空から聞こえてきたのは柔らかな女性の声色だった。
「あら?どうして邪魔するんです冨岡さん」
華麗に着地した彼女がこちらに向き直り刀を
「あらあら、そちらの瀕死のお嬢さんは星詠みの巫女様じゃないですか?彼女をみすみす見殺しにしてしまったらお館様に示しがつきませんよ。すぐにうちの者を手配しなければ」
彼女はテキパキと鎹烏を飛ばす。
どうやらA姉さんの事は、すぐに治療を施し助けてくれるようだ。
炭治郎はほっと一安心
したのも束の間だった。
「そこの鬼は私が狩ります。さぁ冨岡さん、どいてくださいね?」
彼女が鬼というのは、この状況で言えば禰豆子しかいない。
それはそうだ。鬼殺隊員の本来の役目は、鬼を狩る事。鬼を見つけたら手にかけるのは当然なんだ。
鬼になった禰豆子と今まで行動を共にしてきて、鱗滝さん達は目を瞑ってくれていたが、その感覚にどうやら慣れてしまっていたらしい。
「坊や、あなたが庇っているのは鬼ですよ?危ないから離れてください」
「ちっ、違います!いや、違わないけど..妹なんです!」
そう言うと彼女はショックを受けたように手の平を口元に当てる。
「そうなのですか!可哀想に..では」
苦しまないよう、優しい毒で殺してあげましょうね
彼女は色の無くなった瞳で刀を構えた。
炭治郎は恐怖する。
一見優しそうに見えるが、物事には全て白黒つけ
感情論を切り離して考える人に見えた。
「待ってください。胡蝶様..。この子は私の妹でもあるんです。彼女は、人を襲いません..」
Aがそう訴えると、しのぶは驚いたように目を見開いた。
「あなたの家族というのは、この子達の事だったのですか?ごめんなさいね、当然人の子だと思っていたもので。残念ながらそのお願いは聞き入れられません。鬼は所詮、鬼なのですから」
彼女は刀を縦に振り下ろすと、Aの急所を突いた。どさりと地面に崩れ落ちる。
「何するんだっ!」
炭治郎がすかさず食いかかるが彼女は、ただ気を失わせただけだと困ったように話す。
「大丈夫です。あなたの大事なお姉さんは助けますよ。ただ妹さんは」
ー諦めてくださいね..ー
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八千代(プロフ) - Sun moonさん» ありがとうございます(*´-`)むいくんは天使 (2020年11月24日 20時) (レス) id: 23228d6fd7 (このIDを非表示/違反報告)
Sun moon - むいくんが可愛い(真顔) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 73a4d7a977 (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» 1話から見直してくださってるなんて...有難いです(;ω;)ありがとうございます!キャラの気持ちの変化だったり意識して書いてみてるので、何か違った発見がゆずポンさんの中であったらいいなぁと思います。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 769605b6ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆずポン - 八千代さん» そうですか!今1話から読み直してます。何回見ても面白ですね! (2020年9月6日 15時) (レス) id: 6633b9c75f (このIDを非表示/違反報告)
八千代(プロフ) - ゆずポンさん» コメントありがとうございます。すみません、炎炎ノ消防隊はアニメ1、2話見た程度で全然詳しく無くて(泣)日本神話の神様なので結構色んな作品に使われてるようですね! (2020年9月6日 14時) (レス) id: 557e2177e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:八千代 | 作成日時:2020年2月4日 13時