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「んー……」
冷蔵庫の中を眺めて何やら考え込んでる玉森くんの後ろ姿。
さっきから微動だにしなくて、終いにはピーッピーッとドアを閉めるように促す音が聞こえた。
「……あの、何か作ろうか?」
「えっ!?まじで?いいの?」
「うん。
材料によっては何か作れるかも……」
まだ若干痺れてる足を引きずって、ゆるゆるのズボンが落ちないように腰を押さえながらキッチンへと向かう。
「……卵あるし、冷凍ご飯もあるし、オムライス作れるけど。朝からはさすがに重い?」
「ううん!全然いい!!」
期待で胸いっぱいというのが伝わってくる眼力で私を見る玉森くんに思わず笑みが溢れる。
……なんか、子供みたい。
「じゃあ、俺はコーヒー淹れるね!」
「…あ、うん。」
「……あっ、もしかして苦手?」
「えっ…あ、ごめん……。
ブラックが飲めなくて……」
「へぇー!Aちゃん甘党なんだ!
そういうの遠慮しないで言って言って!
この機械、ラテも作れるから。」
「ミツに誕生日プレゼントでもらったんだよね〜」って嬉しそうに呟いて、コーヒーメーカーをいじってる玉森くんを見つめる。
“ そういうの遠慮なく言って ”って、初めて言われた。
いつも相手が1番だった。
顔色伺って、自分の意見は二の次。
……言ってもいいんだって思えて、なんか嬉しい。
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にかみつば(プロフ) - たまたま見つけて読ませてもらってます☺️北山くんが来てなんだか楽しい展開になってきて続き読むのが楽しみです🥰 (6月27日 1時) (レス) @page30 id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
珠美(プロフ) - りょうこさん» 初めまして!コメントありがとうございます!どうやら私の設定の問題でしたね…ご指摘感謝です!変更したので引き続きよろしくお願い致します(^^) (2021年6月28日 12時) (レス) id: 60f3e03fcf (このIDを非表示/違反報告)
りょうこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。いつも楽しく拝読しています!機能のせいなのか、更新されたストーリー番号の横に【NEW】が表示されるといいなーって密かに願ってます。 (2021年6月28日 12時) (レス) id: c2325c836d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月21日 14時