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気付いたら本当に眠ってたみたいで、今どこを飛んでるのかと、わかりもしないのについ窓の外を見る。
スマホの時間を見ると9時過ぎ。
隣のワッターは変わらず寝てて、被ってるハットが完全に顔面を覆う。
……苦しくないのかな。
外の眩しさに目を細めると、後ろからスッと歩いてきたCAが俺に気付く。
「…お目覚めですか？
何かお飲み物をご用意しますが、いかがですか？」
顔を見るとさっきとは違うCAさん。
なんだろう。
新人オーラが目に見てわかる。
「…あ、いえ。大丈夫です。」
「玉、これ、うめーよ。」
「……？」
「これと同じやつ！お願いします！」
目を輝かせて勝手に頼んだミツ。
断る前に「かしこまりました」ってCAさんも行っちゃうし。
「玉、残念だったな。」
「は？何が？」
「俺、Aさんにもらっちった。」
後ろを振り向くと帽子の下でニヤニヤしてるミツ。
受け取った紙コップを嬉しそうに見せてきた。
「Aさん？」
「…あ、来たっ！！」
身を乗り出して話してたミツが俺の少し後ろを見ながらパッと姿勢を戻す。
「…お客さま？」
それと同時に後ろからの声。
振り向くと、さっき俺に飲み物聞いたCAさんとは違う人。
そう、ミツが可愛いと言った人。
「お待たせいたしました。
こちら、オリジナルドリンクです。」
「…あ、はい。
ありがとうございます……」
きっと聞こえてないであろうボリュームでお礼を言う。
驚きすぎて声が出なかった。
「ごゆっくりどうぞ。」
カップを置かれた時に見た名札。
“ A ”さん……
ミツ、すげーよ。お前。
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作者名：珠美 | 作成日時：2021年6月18日 8時
