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飛行機のドアが閉まったというアナウンスが聞こえてきて、いよいよ出発かとワッター越しに窓の外を見る。
こちらに向かって手を振る整備士、なのかな。
あぁいう専門職っていうの?かっこいいよな。
ワッターは座ってから一度も顔を上げることなく、本当に眠ってしまって。
…確かに今日の集合時間早かったもんな。
俺もまた眠ろうと窓から視線を床に移すと、前から歩いてくる人の靴が見えて、ジッと視線を下げたまま通り過ぎるのを待つ。
「…お客様。失礼いたします。」
……ん!?俺?
恐る恐る伺うように顔を上げると、通路を挟んだ俺の隣の人に話しかけてた。
「足元のお手荷物なんですが、緊急時脱出の妨げになりますので、前のお座席の下にお入れいだけますか?」
「あ、はい。すみません。」
「ご協力ありがとうございます。」
さっきミツが可愛いと言ってたCAさん。
……こんな声してんだ。
何の気なく見てると、パッと俺の方を見て目が合う。
「……っ、」
咄嗟に俯いた俺。
うわ、今の俺すっげー感じ悪。
「お客様、失礼いたします。
お手荷物なんですが、もう少し奥に……」
すぐ後ろから聞こえてきた声。
「あ、俺っすか?…これ?」
「ありがとうございます。
これで大丈夫です。」
ミツの奴……わざとやってやがる。
ヘラヘラしたミツの声に呆れながら、俺も目を閉じて眠りについた。
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作者名:珠美 | 作成日時:2021年6月18日 8時