Torenia Fournieri -2-

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宣言通り、無事お手洗いを済ませた私は 完全とは言わないけどシラフに近い状態になった。




『あっ、気分はどう？』




部屋の真ん中にあるソファーに腰掛けていた彼が、私を見るなりぱあっと笑顔になる。




･･･なんで？




「…だいぶ落ち着きました、」




『そっかそっか！水飲む？』




「え…」




『飲むよね？』




私の返事を聞くこともなく、冷蔵庫から新品のミネラルウォーターを持ってきた。




知らない人の部屋で、手渡された飲み物を飲むなんてものすごく危険だと思うけど･･･




今の私には水が必要だった。




喉も口もカラカラで、この状態だとろくに会話も出来ないだろうから 仕方ない。




「……はぁっ、」




火照っていた身体に水分が染み渡っていく。




あー･･･生き返った･････




ゆっくり呼吸を整えていると、『あのさ…』と彼がおもむろに口を開いた。




「…はい、」




『俺が連れて来ておいて言うのもなんだけどさー……お姉さん、ここにいて大丈夫？』




「え…？」




言ってる意味が分かんないんだけど･･･




逆に、ここにいたら大丈夫じゃないの？




『あー…いや、なんていうか、さ……』




「……。」




『浮気、とかになんない？』




･････は？




「……えぇっと、」




うわき･･･って、誰が誰と？




『あ、ごめんね！あんまり頭回んないか。気持ち悪かったら横になってていいからね？』




「っ、そうじゃなくて…」




『え？じゃあ何？』




「……。」




さっきから気になってたけど･･･




なんで途中から完全にタメ語になってんの？




私が歳下にでも見えてるわけ？




･･･それとも、こんなみっともないところを見せたから完全に舐められてるのか？




なんてグルグルと考えていると、




「…うわっ、」




俯いていた顔を上げると、目の前に彼の顔があって 心臓が止まるかと思った。




ちょっと待って･･･




よく見ると、すごいカッコいいんだけど！




どこかで見たことがあるような顔だけど、誰かに似てるかって言われたらそうでもない。




･･･あ、動物かな？




小動物っぽい可愛さがある感じ。




『ねぇ、俺らどっかで会ったことない？』




「……は、」




『絶対見たことある気がする…』




じぃー･･･っと効果音が付きそうなくらい、至近距離で私の顔をガン見してくる。




･･･ていうか私、絶対化粧落ちてる！！

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