Torenia Fournieri -2-

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「高嗣はなんでも溜め込みすぎちゃうところがあると思う。それってどうなの？」




『……別に、溜め込んでなんか…』




ない、とは言い切れない。




Aには弱味を見せたくないと思ってたし、それはメンバーにだって同じだ。




嫌なことや辛いことがあっても、ちゃんと自分の中で消化する。




いつからか、そう決めていた。




「…ねぇ、私って高嗣の何？」




『何…って、』




「彼女だよ、高嗣の。」




『…うん、』




「高嗣が 本当の本当に素でいられる存在になりたいって……最初に言ったよね？」




･････覚えてるよ。




Aがそう言ってくれてすっごい嬉しかったから、ちゃんと覚えてる。




でも、素直じゃない俺は Aに甘えるなんて絶対無理！って思ってて･･･




今Aと目を合わせたら、思ってること全部吐き出してしまいそうだった。




そんな格好悪い自分、見せたくない。




Aは･･･




素直じゃない俺は嫌･････？




グルグルと頭の中を駆け巡る 負の感情。




あぁもう･･･俺の長所って言ったら、元気でポジティブすぎるとこくらいなのに。




「…じゃあ、私の本音聞いて？」




『…Aの？』




「うん。」




『……いいけど、』




俺が言いやすいようにって･･･




Aの気遣いがなんだか照れ臭くて、目の前にある華奢な肩に顔を埋めた。




「………舞台もライブも中止になって、正直言うとホッとしたんだよね。」




あ･･･




結構、ガチなやつじゃん。




ここ最近の俺の仕事に関する話は、本当に必要最低限しかしてこなかったから。




AもAで あんまり触れてこなかったし、話さなくていいと思ってた。




俺の彼女になる以前から Aはキスマイのファンだし、中止とか延期とか、そうゆうのは聞きたくないんじゃないかって･･･




「…舞台に関しては、観に行く人達は 万全な対策の元で観覧出来るでしょ？だけど高嗣達は違うじゃん。演じる人達は 舞台の最中にマスクなんか出来ないし、」




『……うん、』




「それがあるから、再開になった時は嬉しい反面すごく心配だったんだよ…」




『……。』




そういえば･･･思い当たる節がある。




マネージャーから公演再開を聞いた日の夜、帰ってすぐAに報告した。




"え…っ、再開するの？"




一瞬見せた嬉しそうな顔は、何故か途端に曇ってしまった。

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