2 ページ24
.
『…つーか、なんでさっき言い直したの?』
「え?」
『……名前。』
「あ…」
『別に、高嗣でいいじゃん。』
わざわざ言い直したのもそうだけど・・・
Aにとって俺はもう付き合う前の"二階堂くん"と成り下がってしまったみたいで。
変なプライドが邪魔をして、本当は見惚れてしまったその姿に『変だ』と言ってしまった。
・・・A、綺麗だよ。
なんて、心の中ではいくらでも言える。
『…その化粧、旦那の好み?』
「……違うよ。藤ヶ谷家の人って皆こうなんだもん、しっかりメイクに華やかな服。」
『…そっか。』
もうすっかり藤ヶ谷家の人間なんだな。
どっからどう見ても、いいところのお嬢様にしか見えねぇし・・・
「てか、まだ旦那じゃないし…」
ムッとするAに、思わず吹き出してしまう。
「なんで笑うの?」
『ふははっ、だって……まだ旦那じゃないってわざわざ俺に言うってことはさ?』
・・・・・思っちゃうじゃん。
『俺にもまた勝算あんのかなぁ…って。』
もしもドラマとかなら、ここで俺がAを連れ出して駆け落ち(?)して・・・
誰にも見つからないところで、お互いが居ればただそれだけで幸せだって・・・
そんな夢みたいな話、現実には起こらないけど。
『…なんて、冗談(笑)』
Aの困惑した表情が、そんな夢物語から残酷な現実へと連れ戻した。
「冗談……ふふ、そうだよね。」
『本気にした?…馬鹿だな(笑)』
あーあ・・・
こうやって『馬鹿だな』ってAを揶揄うことも、今日で最後か。
「…っ、」
『ん?』
「……それ、もっかい言って?」
今も泣き出しそうな顔で、何を言い出すのかと思ったら・・・
『……それってどれ?』
分かってるけど、分からないフリをする。
だって、そうすると・・・
「…やっぱりいい。」
・・・ほら。
君のその拗ねた顔が可愛くて、いつも俺は君を怒らせたり困らせたりしていた。
"ね、もっかい言って?"
"何を?"
"ふふ、馬鹿だな…って!"
"は?なにそれ、ドMかよ(笑)"
"違うよ!高嗣に言われるのが好きなだけ!"
数え切れないくらいにしたやり取りは、今でも昨日のことのように思い出せる。
俺と居たら、いくらでも言ってあげるのに。
『……馬鹿だよ、Aは。』
490人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nanaco(プロフ) - みちこさん» そう!ニカを元彼にするのはちょっと既に泣けてきます・・・なんだか婚約者=藤ヶ谷さんのイメージしません?笑 そうですよ、訳ありなんですよ〜。゚(゚^ω^゚)゚。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - 恵美さん» が、頑張ります〜。゚(゚^ω^゚)゚。笑 (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
nanaco(プロフ) - りっちゃんさん» やっぱり何を書いてもニカちゃんになりそうで抜け出せなーい!です(//∇//)w いきなりキャラ変はアレなんで、徐々にぶっ飛んだニカちゃんにしていこうかと(笑)また宜しくお願いします♪ (2019年9月23日 20時) (レス) id: d77fcd2775 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - nanacoさん» 今度は元カレ設定?太ちゃんが恋敵?だけど何だか訳ありな(^.^)続き楽しみにしています(^_^) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 95022a0a60 (このIDを非表示/違反報告)
恵美(プロフ) - 早めに更新お願いします(笑) (2019年9月23日 18時) (レス) id: 9abe6fed7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:nanacoy1139 | 作成日時:2019年8月31日 21時