Shepherd’s purse【朔間零】 (ページ24)

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まるで道場破りのように軽音部部室の扉を開ける。
しかし、右端に置かれている蓋が開いた棺桶にはその主が居らず、空っぽの状態だった。
仕方無く私はパイプ椅子を棺桶の前まで引摺り出し、ドカッと足を組んで椅子に座った。
此処に来るまでの間にどう謝るべきか、避けていたのは私なのに、何故自分を責めるのか。
色々とこの棺桶の持ち主にぶちまけようと考えていた。
暫く部室で待っていると誰かが部室の扉を開ける音がした。
朔間先輩かと思い、睨みを利かせながら扉の方へ視線を向けたが、立っていたのは晃牙だった。

「何だ晃牙か……」

「あ？
いきなりガン飛ばして来やがった上に何だその言い方」

「何やってんの？
今日は活動日じゃないでしょ」

正直、夏休みに入ってからは軽音部活動日でも朔間先輩の都合で活動していない時の方が多い。
私も夏休みに入ってからはプロデュース科の仕事で全く参加出来ていないが、晃牙が軽音部部室へ足を運んでいるのはよく見掛けていた。

「俺様はギター取りに来ただけだつーの。
てか、なんだその足。一応、女だろ」

「わんこの真似だよ」

「噛み千切んぞ！」

冗談はさておき、晃牙の言う通り流石に足を組んで上級生を待つのは良くないかと思い、スッと組んでいた足を下ろす。

「で、テメェは何やってんだ？
吸血鬼ヤローにでも待たされてんのか？」

「半分正解かな。
朔間先輩に用が有ったんだけど、居ないから待ってんの」

「俺様はボケたジジィなんざ知らねーからな。
聞いても無駄だぞ」

「そっか……」

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