【ジョジョ】奇妙な私と暗殺者 そのIV【黄金の風】

154話 護衛リーダーと救出 ページ23

ブローノ·ブチャラティside



「トリッシュが目を醒(さ)ましたなら、父親など最初からいなかったと伝えておこう…」

「トリッシュだと？
トリッシュがなんだというのだ？」




…まるで、トリッシュの事をなんとも思わないその言葉に、Aさんの言っていた言葉を理解する。オレはボスを裏切るッ！




「娘の事はおまえには、なんの関係もないッ！」

「きさまにオレの心は永遠にわかるまいッ！」




顎(あご)からチャックの下に隠していた携帯電話でジョルノに連絡する。
…ジョルノに持たしてもらった“てんとう虫のブローチ”をボスにくっつけたから、発信機になっているはずだ！




「ジョルノ…か？」

«ブチャラティ…ええ！！
……移動している事はすでにわかっています！
…え、Aさんッ！？»

「？」




ジョルノにどうした？…と言う間もなくーー




ズバンッ！ ガラガラガラッ！！


「「ッ！？」」




塔(とう)の上部が“何か”によって切断され、オレたちの上に落下してくる……まずい！
トリッシュを守らないとーー




「【マン・イン・ザ・ミラー】！
ブチャラティとトリッシュのみを許可するッ！」

「ッ！？」




男の声と、引っ張られる体…
トリッシュもオレと同じように“何か”に引っ張られていたようで、落下してきた瓦礫(がれき)を回避したようだ。




「おいこりゃーやり過ぎじゃあねーのかよ…！？
A…！！」

「お、お前は…裏切り者チームの鏡のスタンドの！？ それにAさんだと！？」

「俺はイルーゾォだ…！ ここは俺の世界…
Aに言われてオメーらを連れ込んだんだ」




Aさんに頼まれて？
そんな疑問も言う暇もなく、イルーゾォはオレを急(せ)かしてくる。




「とにかく！ 今は急いでここから逃げるぞ！？」

「なに…？！」

「ボスの素性が分からねェ今！
Aから言われたのは、オメーらを助け出す事だけだ…無駄な戦闘は避(さ)けなくてはならない！ 確実にボスを倒す為にはな！」

「……」




イルーゾォの言う事は正しい…
トリッシュを連れている今…感情だけで動けば、録(ろく)な事にはならないだろう。




「…仕方ない」

「よし、行くぞ」




オレはトリッシュを抱き上げ、イルーゾォと共に塔(とう)の外に出た。

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