【マギ】僕 の 愛 し た 従 者？【練紅覇】

第80話 ページ32

.(紅覇side)





かなり驚いた表情で僕の前に立っているA
そして3分ほど経ちうつむいて……




貴｢煌帝国の──────……｣





言葉を発したが"煌帝国の"まで聞こえて後は声があまりにも小さくて聞き取れなかった






覇｢もう一回言ってA｣


貴｢ですから……煌帝国の皇子が私なんかと言葉を交わしてはいけません。早く国にお戻りください｣





今までの10年間の関係が無かったように皇子と一般市民のように話してきた。





覇｢帰らない｣

貴｢貴方は煌帝国第三皇子の練紅覇様、ご自分の
立場が分かっていらっしゃいますか？｣





Aから"主"と言われないだけでも胸が苦しくなる

三ヶ月前までは"紅覇様"と言われるのがすごく
嬉かったはずなのに今は逆に悲しくなる。





覇｢ねぇ、また僕の目の前で主って呼んでくれないの？｣

貴｢っ……｣





また言って欲しいよ少し気だるそうな声で





覇｢Aは僕の従者でしょ？｣

貴｢もう貴方の従者ではありません｣





従者じゃないと言う言葉が胸に突き刺さる





貴｢早く国にお戻りください！｣





僕と関わるのを避けるかのように言われた





覇｢Aがいない煌帝国なんてつまらないよ……
僕がこの三ヶ月どんな思いで過ごしてきたと思う？



鍛錬するにもどっかバカ女はいないし！



僕がAから貰った大切なペンダントは
ある女が壊していなくなるし！



僕のことをバカにしてくるくせに命をかけてまで守ろうとするバカ従者はいないし！



そんなにつまらない日々なら皇子なんてやめた
方がましだよ！｣





貴｢…紅覇様貴方一体何を言っていらっしゃる
のか分かっているのですか…？｣



覇｢分かってるよ、それ程僕にはAが必要なの！ いないと悲しいし辛い｣


貴｢貴方という方は…立場をわきまえてください！｣





声を荒げたAを見ると涙を流して悲しそう
に僕を見つめている





貴｢私は人殺しなのですよ!? そんなのが皇子の従者
なんてやっていける訳ないじゃないですか！｣




人殺しでも僕はいい、心の底からAを愛して
いるから……




覇｢じゃあ、従者じゃなくていい……


僕の妃として煌帝国に来い！ A！｣



貴｢……はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?｣

覇｢決めろA｣






貴｢え、私は。そ、そのえーっと…………。｣

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