こちら、リア充撲滅委員会です。2

撲滅 71 ページ21

「わっ……風、強いな」




十四松「そう、だね…」









彼女の制服が風に煽られる


鞄を持つ手は少し震えているようで







「最後まで、みんなと仲良くなれなかったなぁ……」







そんなことないよって言ってあげたいけど



喉に突っかかって出てこない







「ありがとう、十四松くん」



十四松「ううん、僕は平気」



「………自分の気持ちに正直にならなきゃ」



十四松「へ……？」



「そう、教えてくれたのは十四松くんだよ」









涙を溜めた瞳が









「本当に好きなのは私じゃないでしょう？」









赤くなった目元が









「……リストバンド、借りててもいいかな………もし、もしもこの先また出会えたなら…………」









胸を締め付ける









その先の言葉は僕にはわからなかった









「じゃあね、バイバイ」









十四松「あ、ありがとう！！………また、またね」







頰を伝うのが何なのか、







それはもう分かっていたけど









十四松「ぅ……ぅぁ………っ……」









もう、逃げたくない

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