▽嘘吐き総統 ページ26
gr「危なかった…」
『避けましたね？』
gr「加減を知らんのかお前は」
怒りに身を任せるのも時には大事ですよねという事で一発拳を上げてみたのだが、総統も一応軍人。動ける事には動ける様で寸前で半身だけ逸らして避けられた。総統は冷や汗一つ浮かばせずに、彼も椅子から立ち上がる。前髪の隙間から紅の瞳が此方を見下ろしている。
身長というものは実に厄介なもので、力があれば押し除けられるというものではない。
今みたいに。
gr「押し倒された気分はどうだ」
服越しに伝わる机の冷たい感覚が何となく伝わってくる。押し倒すというよりかは、トントンさんの時の様に机に押さえ付けられているという方が正しいだろう。何の張り合いなのかは知らないが。
ﾊﾞﾝｯと勢い良く抑えられた腕と、上半身ごと机に乗った反動で椅子が倒れてしまった。
総統は気にせず私を見下ろして表情なんて一つも変えない。
『どうも何も…不敬に当たりましたか、殴る、っていうやつは』
gr「一般論だと不敬罪だが…まぁ、ただの反抗期みたいなモンだろうか」
『つまりまだまだ弱いと』
gr「これ以上強くなっては敵わん」
押さえつけられているというのに、総統との距離は遠く、恋色だなんて微塵も感じられない。何ドンと聞かれればそれはそれは笑えるお話な事で。
総統が今している行動と視線は敵に向けるそれとまったく同じで、今まで自分がこんな化け物を相手にしていたのかとゾッとする程度には笑えない。
『そろそろ離してはくれませんか』
シンプル且つ冷静に。ここで動揺に似た何か、あるいは恐怖を見せてしまえば完全に此方の負け。
「離す？」と復唱した総統はクツクツと喉を鳴らして笑いを堪えているかの様な顔をする。
彼が下を向いて此方の顔を見ている所為で、光が総統の顔に当たる筈もなく。むしろ長い前髪で暗い影が落ちている。
gr「俺から逃げられるとでも、思っているのか」
腕を押さえつけていた手にぐっと力が込められる。
そんなに押さえつけられては痣になってしまうかもしれないなぁ、なんて呑気な思考をめぐらせる一方焦っている自分もいた。
……何が"俺"から、だ。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
