▽嘘吐き総統 ページ27
込められた手の力は緩む事なく、上から加わる圧にただ黙っている事しか出来ない。
なんの反応をお望みなのか。
貴方程の実力者ならば見合い話であるだろう。そういやこの人、結婚とかしないのか。そう簡単に出来るものでも無いかも知れないが向こうの国では普通にあったし。
今この状況で何をすれば良いのかなんてさっぱりだ。
それとも、そこらの女と同じ反応をすれば総統サマは満足なのか。
gr「…」
…いや、この感じは違うな。
『離してくれます…？』
恐る恐る口に出せばだんだんと手に込められていた力が緩んでいって上半身を起こされた。不服そうだが何も言わない総統。
…離すタイミングを見失うなら最初からするんじゃないよ。
格好のつかない終わり方になってしまったらしい総統は咳払い一つして「忘れろ」と持ち前の低音ボイスで声を出した。それから倒れた椅子を黙って直す、それを見ていたのだがなかなか面白いもので。
いつもの余裕綽綽な笑みからは考えられない程の沈黙。居心地が悪いんだろう。
かわいそうにー。
『気にせずとも、誰にも言いませんよ』
gr「うるさい」
『…そういう態度嫌いなので言いふらしますけど』
弱みを握れた。なんて思いながら彼を見れば先程の表情か嘘の様に、無かったことにされている。
かと思えば彼のいつもの顔に戻っている。
gr「言えるモンなら言ってみろ。まぁ、言って後悔するのはお前だがな」
低く笑った総統だったがすぐに興味がなくなったのかその笑い声も5秒と経たないうちに聞こえなくなった。机に軽く腰掛けて此方をゆらりと見た彼は、一瞬目を細めて手を顎に当てた。一体それが何を暗示しているのか。嫌な予感を的中させるには十分なくらいの表情と行動と雰囲気に、蹴落とされた様な気分でいる自分。
私が口を開いて『どうしました』と聞く前に、彼の方が数秒早かったらしい。
gr「数日後、近隣国で
社交界が設けられるらしくてな」
____社交界、
貴族だとか上流階級の人間が集う場。所謂パーティーだとかそういうもの。ars国にいた時もあったが、あの時は護衛として行った記憶がある。
gr「お前も参加しろ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
