コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

▼ ページ6

ー江戸川コナンsideー



江「昴さん、彼女の事どう思う？」

沖「どう、とは？」




少し離れたところに灰原と楽しそうに話している彼女が視界に入る。先から机に突っ伏したり顔を上げて何かを灰原に頼み込んだり。……何やってんだあの人
きっとトロピカルランドに一緒に行こうとかそんなところだろう。

灰原が行く訳ない、とも思ったが


満更でもなさそうな顔に思わずふっと笑みが漏れた。




江「…良い人だよね。怖いくらいに」




沖矢昴さんこと、赤井さんに問い掛ければ「そうですね」と笑いながら言われた。


…なんかあったのかこの人も




江「ねぇねぇ、昴さん…Aさんと何かあったの？」
沖「何もないですよ」

江「本当に？」
沖「あったとしてもコナン君に話すような事はありません。お気になさらず」




…気になる



隠し事を見破りたくなるのは仕方ない。
俺だって別に遊びで探偵やってる訳じゃねぇし…。


ま、強硬手段は一つあるが…。





珈琲片手に灰原達の方を見る沖矢昴はニコニコと薄い笑みを貼り付けて…いや、これは本当に笑ってんのか。赤井、という人間が。





江「教えてくれないなら良いけど__」





ぴょん、と椅子から飛び降りて昴さんから離れAさんの方へ行く。謎が解けるなら恥を捨てろ。


…ちょっと抵抗はあるけどな




それに、Aさんと昴さんに何かあるなら物凄く気になる。後ろでは昴さんが不思議そうな顔をしているがそんなの気にしない。



今、今までの演技力が試される時が来た…






江「…Aさん、」




『どうしたのコナンく…って、何故半泣き！？どうしたの、え？？昴さんに何かされた？大丈夫？ちょ、哀ちゃん』






ジト目で俺を見る灰原。



仕方ねぇだろ、知りたいんだから。




江「うん…
ボクが知りたい事教えてくれなくて」




『知りたい事？』と疑問符を浮かべながら大丈夫か、と聞く彼女はやはり善人だ。

昴さんが教えてくれないなら彼女に聞くまで__






沖「嘘はよくないですよ、コナン君」







ｺﾞｺﾞｺﾞ、と黒いオーラを身に纏った昴さんは後ろにしゃがんで俺と視線を合わせる。





江「ウソじゃないもん」
『昴さん酷い』
沖「…」


.

▼→←27___彼女という存在

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す