コナン君だけお引き取り下さい。II【沖矢昴】

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『昴さんと定期的に会う事になりました』





彼女に聞けば案外あっさり教えてくれた。なんだそんな事、と思うかもしれないが…なんだそのズルい約束は。俺だってAさんと定期的に会いてぇけど、


別に深い意味は無いがこの人といると落ち着く。
組織の事さえ忘れてしまう様な気さえしてくるのだ。


まるで、

俺が元々江戸川コナンという存在だったかのような錯覚に陥る。



江「定期的に？」

『うん。昴さんが会おうって』

江「僕も会いたいな」

『やだ』



コナン君といると事件が…と言う彼女に首を傾げてもう一度聞けば『わかった』と即答された。

なんなんだこの人、ほんとに。



ある意味何考えてんのか分からないし。単純にチョロいんだろうな。



沖「…」
江「…」




後ろから物凄い視線を感じるけど。






沖「Aさん、トロピカルランド行くんですよね？」

『まぁ、歩美ちゃんに誘われたし。哀ちゃんも来てくれるから』




なんだ、灰原の奴結局来るのかよ。



昴さんはそれを聞いてはっとした様に彼女を見た。それからまたいつものようににこりと笑った。








沖「僕も保護者役として連いていきますよ。その日は都合がつきますし。

Aさん一人では大変でしょう?」





『いや蘭ちゃんと園子ちゃんに連絡したので』
沖「大人がいた方が安心でしょう」
『確かに』



決まりですね、と言った昴さんは満足そうに俺の頭に手を置いた。ため息を吐く彼女余所目に薄く笑った昴さんは俺の頭をぽんぽんと叩く。



少し開いた目と目が合った。


勿論すぐに普段の昴さんに戻ったけれど。




まるで彼女に手出しはするなよという様な顔だ。彼女の何が赤井さんを動かすのかは分からない。
だから尚更気になる。



『トロピカルランド久々だなぁ』

江「そうなの？」

『昔ノ彼氏ト行ッタキリデスネ』

灰「嘘吐かないの」

『…嘘です。何なら彼氏いませんでしたよハイ。まだまだ人生これからですしね』





遠い目をして悟りを開きそうな勢いのAさん。
意外だな、と思っているのは俺だけじゃ無いだろう。


江「何で嘘吐いたの？」

『…聞いちゃいけない事もあるよ』





…？



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