笑えない、どつかれた本拠地。【白膠木簓】__extra story

▼comedian.06 ページ10

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夢でも、怖いものは怖いと感じてしまう。





今自分がいるのは、天蓋付きのベッドである。
病院にいたはずだから…………これは確実に夢である。






『なんだ、コレ』





無機質に見えてそうじゃないこの部屋はあまり広くない。自分のいるこのベッドには、人形やら玩具やらが散らばっている。








白「起きたんか」








ふと声がして顔を上げれば、そこに居たのはニコリと笑った白膠木簓。


いや、彼は白膠木簓なんだろうか


得体の知れない恐怖が背筋を駆け巡り、頰に冷や汗が伝った。
怖い、よりも不安が多いかもしれない。








『な、んですか、これ』

白「ん？何やと思う？』







_____何言ってんだ自分





自分の思考回路も、喋る事もできるのに。頭が上手く回らなくて何を話しているのかイマイチ理解出来なかった。





部屋はいつの間にか昏くなっていて、より一層不安を煽る。ぼんやりとしか見えない彼の姿に寒気がした。








白「Aは俺の事嫌いなんか」







暗い。昏い。闇い。




よく分からない、ゆっくりとこちらに近づく彼に後ずさりをするが簡単にベッドの端まで来てしまった








『何言ってるんですか』

白「名前、呼んでや」

『嫌です』




白「ふぅん、別にえぇけど」








がしゃん、と照明が落ちる。


照明なのかは分からない。どうやって消したのかも。







_____これは夢だ。



不思議と、そんな確信があった。
だけれど怖いのは変わらない。








白「あんたも俺の事こう思ってんやろ」

『は、何言って、』






白「使えない奴や、って


何しても上手くいかんし、責められてばっか。
自分のことで精一杯で周りを見る余裕なんかあらへん、




そんな奴」









_____それ、自分だろ




彼の事をそう思ってる訳無い…(多分)


ぼんやりとしか見えない彼の方を見る。









白「このまま、閉じ込めておいてもえぇんやぞ」









すとん、と全部落ちた気がした。









_____気づけよ、自分。


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