笑えない、どつかれた本拠地。【白膠木簓】__extra story

▽00___大切な。 ページ22

ー白膠木sideー



今日はハロウィンパーティー……なんやけどな……？




『簓さんこれもゴミです』

白「はいよーってそれ俺のジャケットやないかい！」




俺の"誕生日"でもあるんよ




まぁこの子には話してへんし、そもそもこの子の誕生日も知らん……事は無いねんけど。
期待なんて初めから無かってんけどやっぱちょっとは思うやろ……

勿論盧笙と零には此処は来る前祝ってもろたし、サプライズめっちゃ嬉しかったんけど






『簓さん何ぼーっとしてるんですか』

白「へっ？あ、いや、ちょーっおもろいネタ思いついてな」


『へぇ……



どんな?』









真っ直ぐな瞳と目を合わせてしまった。もう逃れられない、というか逸らしたら負けな気するだけやけど



普段は軽く流されるだけなのに、









白「なんや珍しいな
俺の漫才興味無さそうにしてたやろ自分」

『別に、』






彼女は片付けをする手を止めてふっと笑った。


あ、そんな顔するんや。
そっちの方がええと思うで。あんなしかめっ面しとったら疲労溜まるやろ









『誕生日くらい、聞いてやろうと思いまして』









は、と声が漏れてしまうのは仕方ないだろう。
予想外の答えに一瞬冷や汗が流れてしまった。








『天谷奴さんから聞きましたよ……ったく、誕生日くらいちゃんと言ってください簓さん
一応お世話になったりなってなかったりするので』

白「どっちや」

『……プレゼントとかはまた今度、って事で
欲しいものとかあります？』









不器用に笑った彼女に一歩近づく。

プレゼント、貰ったわ。何より大事なモン貰った気ぃする。意地張らんで言えば良かったなぁ、
今日は俺の誕生日やぞーって







白「トリックオアトリート」






『お菓子ならあげましたが』と不服そうな顔になる。

そんな顔せんくても……







白「もう無いん？」

『ある訳ないだろ欲張らないでくれます？』

白「ほな、目瞑ってや」







何がなんでも瞑らまいとする彼女の目を伏せさて、彼女に軽いキスをする。







白「今日はこれでええよ、許したるわ」

『……何の真似ですか』









何の真似でも無い、って言っても信じてくれへんやろなぁ。






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