真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ17)

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アロマページ17

「はぁー、さみーな。」

お店を出ると、
櫻井先生は寒そうに目を細める。

「ですね、今朝少し雪が降ってましたから。」

「まじで？そりゃ寒いわけだ。」

なんて会話をしながら、
先生は家とは反対方向に歩いてく。
あれ、どこいくんだろ…

そう思いながら先生に着いていくと
コインパーキングに着いた。

ずらりと車が並ぶ駐車場内を進んでいくと、
シックな感じの黒い車の前で足を止めた。

ピッーー

「ん、乗って。」

先生が助手席のドアを開けてそう言う

「え…。」

先生の車に乗れる日が来るなんて思ってなかったから
戸惑っていると、

「ほら、固まってないで乗って、
　寒いんだから。」

そうやって車に押し込まれた。

車内にはアロマデュフューザーが取り付けられていて、とても落ち着く香りがする。

黒で統一された車内は大人の男の人っていう感じがして緊張しちゃう。

「先生、車で来てたんですね。」

早くこの緊張を解きたくてそう言うと、

「うん、冬は流石に歩けねー。
　ガソリン代もったいないけどさ
　寒いのだけは我慢できねーの。」

そう言いながら、眉間に皺を寄せて凄く険しい顔をしてる。
先生が寒がりなおかげで車に乗れたんだ…

そんなことで舞い上がる。

なんて、考えていると車は発車した。