真夏の夜は貴方を想う3【SS】完結 (ページ31)

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紙切れの意味はページ31

無我夢中で廊下を走る。

「ハァッ…ハァッ…」

こんなに一生懸命走るのは久しぶりで
足がもつれそうになる。
思い切り走ってるせいで喉が痛い。

急がなきゃ。
早く、早く貴方に会いたい。

ガラッーー

「っ、先生っ…」

私が勢いよく扉を開けると

「ふっ、焦りすぎ。」

窓際に寄りかかり笑う櫻井先生がいた。

「あの、これっ…」

「ちゃんと気づいたんだ？」

私はさっきの紙を先生に見せる。

「これ、どういうことですか…」

「まぁまぁ、そんな急かさないで。」

そう言いながら先生は煙草の火を消した。
……学校で煙草吸ってたんだ。

ふぅー、と息を吐きながら先生がこっちに来る。

「1個聞いてもいい？」

「…はい。」

「山田は本当に俺のことが好きだった？」

「っ…！好きですよ！」

「それは勘違いじゃないって言える？」

…どうしてそんなこと聞くの？

「当たり前じゃないですか！
　私が…私がどんな思いで先生を想っていたかなんて
　分からないと思いますけど、
　私は生まれて初めて誰かに想いを伝えたんです！」

必死だった。
今まで言えなかった正直な気持ちを先生に伝えた。