Smilest 5

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藤「渉にお願いしたの、
Aをここに連れてきてほしいって。
家行こうと思ったんだけど、
間に合わなそうでさ」





呆然と見つめたままの私に教えてくれた



横尾さんの謎の行動





そんな事まで考えてくれてたのに、



私は、電話も無視して



疑って…バカみたい





私「太輔、ごめんね？」




藤「…それさ、後にしない？笑」





時計をチラッと見て



藤「今日が終わっちゃうから」



って




シャンパンが入ったグラスを



目の前に差し出される





藤「A、誕生日おめでとう」





太輔の言葉が



嬉しくて、愛しくて、涙がこみあげる





だって、誰よりも



太輔に祝ってほしかった



誰よりも



大事な日に一緒にいたかった






それが叶うなんて、思ってなかったから






私「…ありがとう」



藤「ん、かんぱいは？」





グラスを持ったまま、待ってくれてるから





私「かんぱーーいっ！」





思い切りグラスをぶつける





藤「わっ、もー、急に元気じゃん。
グラス割れちゃうよ、笑」





ふたりで笑いながら飲んだシャンパンは、




甘く、幸せな味がした。







「終わったの？笑」




急に背後から聞こえた声に、




私「ぶっ！！！！」




びっくりしてシャンパンを噴き出す





藤「ちょ、笑 大丈夫？」




太輔に渡されたフキンで口を拭いながら振り返ると




笑ってる横尾さん





私「よ、横尾さん！」




横「絶対俺の事忘れてたっしょ、笑」




私「そ、そんな事ないよ！」





ちょっと忘れてたけど。





藤「渉、ありがとな」




横「全然、間に合ってよかったよ。
俺も楽しかったし、料理も美味かった。
ごちそうさま、笑」



藤「おう、笑」




横「じゃ、後はふたりで楽しんで」





帰ろうとする横尾さん





私「…え、横尾さんケーキ食べないの？」




横「俺はいいよ、笑
ここからはふたりでお祝いして？
あと、これは俺からのプレゼント」





すっと私の前に差し出された



このホテルのルームキー





私「え？」




横「今部屋取ってきたから、ゆっくりしていきなね」




藤「マジか、笑
渉、ありがとう」





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