Smilest 5

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え、


停電？




やだ、怖い





私「よ、横尾さん！早く！！」




横「ちょ、Aちゃん？ 地震じゃないから
テーブルの下に入らないで、笑」





暗がりの中、向かい側からテーブルの下を覗く



横尾さんと目が合った





私「あ、…そっか。でも暗いから怖い」




横「大丈夫。怖くない怖くない、笑」





♪ハッピバースデートゥーユー



♪ハッピバースデートゥーユー





私「…え？」





店内は暗いまま、バースデーソングが流れはじめた





横「ほら、ね？」





横尾さん



こんなサプライズ仕込んでたの？




これ、私の為の停電？






椅子に座り直すと、



向かいの席にいるはずの横尾さんがいない





私「え、横尾さん？」





キョロキョロ探してみたけど、



周りは暗いし、よく見えない





バースデーソングが流れる中



パチパチと花火が立ってる丸いケーキを持った



店員さんがこちらの席に近づいてくる





目で追ってると、



やっぱり私のところにやってきた丸いケーキ





「おめでとうございます」



私「あ、…ありがとうございます」





嬉しい。



こんなの、はじめてだ




白く丸いケーキに、沢山の苺。
真ん中に『HAPPYBIRTHDAY』とチョコレートの文字




パチパチと弾ける花火はとても綺麗で
夢中で見惚れる





花火が消えかける頃



目の前に人が座る気配がして、



視線を移すと同時に



店内の電気がパッとついた





私「もう横尾さん！どこいっ……え？」





目の前に



私が今、会いたくて会いたくてたまらなかった



太輔がいる





私「……うそ」





だって、、帰ってこれないって言ってたじゃん…





藤「間に合った、笑」





幻？



会いたい願望強すぎて



ついには、幻が出てきたのかも…





私「…ほんもの？」




藤「そりゃそうだろ、笑」




私「帰ってこれないって……嘘？」




藤「嘘ではないかな。
どうしても今日、Aんとこ帰ってきたくて
がんばった。笑 びっくりした？」





うんうん頷くと、





藤「ほんと、間に合って良かった、笑」





私の誕生日に間に合わせようとしてくれたの？








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