君の嘘、僕の嘘 4 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:13 hit、合計:242,438 hit

129 ページ9

.

紗「……廉が別れるって言ったのは、
その人がいるから？」

廉「そうやって言ったら？」

あれ、

なんか誤解されてるけど、

いいの？

話し合わせるって、そういう事？

でも黙っててって言われたから、
黙って聞いてる

紗「ありえない」

廉「は？」

紗「私の方が廉の事好きだし、
この前のは、ほんとに誤解だから」

廉「どうでもええわ、終わった事やし。
邪魔せんといて、今からデートやねん」

今からデート？

私？

……でも、黙っててって言われたから
黙って聞いてる

紗「その人が好きなの？」

廉「そうや」

紗「わたしより？」

廉「そうやって。だからほっといて
くれへんかな」

紗「……私は別れたつもりはないから。
どうせ遊びでしょ？私が浮気したと
思って腹いせにそんな普通な子相手に
してるんでしょ？」

……あれ、なんか私バカにされてる？

そりゃあ私、あなたみたいに
可愛くないし、芸能人でもないし
ふ、つ、う、ですけど！

黙って聞いてたら、腹が立ってきた

廉「あほか、
遊びとか、腹いせとか意味わからん。
もう終わったんや。
俺は本気でこの子とつきおうてる。
わかったら、帰って」

きっ！っと私を見る紗奈さんと
目が合ってしまう

……こ、こわっ！！

私「……」

紗「あなたは、廉が好きなの？」

わ、わたし？

睨みつけるように私をみて
質問をぶつけてくるから、
廉くんの背中で固まってしまう

どう答えるべき？

廉くんは、別れたいんだよね？

私「……好き……です」

嘘だってばれたら、どうしようって思ったら

声が震えちゃったけど、

これが私の精一杯の嘘

だからお願い、

もうなにも聞かないでほしい

紗「あなたがそそのかし……」

廉「もうええやろ、わかったら
帰ってくれへん？」

紗「……」

廉「行こか、A」

唇をぎゅっとかんで黙りこんで
しまった紗奈さんを残して、
歩き出す廉くん

背中に、とてつもなく痛い視線を感じる

怖くて振り返れないけど……

.