君の嘘、僕の嘘 (ページ37)

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玉「別に」

いやいやいや、

あきらかに不機嫌になったよね

私「そんなに、知られたくなかった？」

玉「……そんなのは気にしてない」

私「じゃあ、なに？」

玉「なんか……嫌だなって」

目を逸らされた

なんで、急に？

なにした？わたし

私「わたし、なにかした？」

玉「……ガヤと飲み行った」

あれ？

これ、わたし、すごい期待していいやつ？

私「もしかして……」

玉「言わなくていい」

真っ赤な玉ちゃんの顔を
正面から見ると

物凄く睨まれる

玉「むかつく」

私「……」

こんなにはっきり、面と向かって
人にむかつくって言われたの、はじめてで

なんかおかしくなってきた

玉「笑うな」

私「あははっ、だって
おかしいんだもん」

玉「まじ、むかつく」

私「あのね……ふたりじゃないよ？」

玉「は？」

私「みやっちと、横尾さんもいたし」

玉「……そういうの、早く言ってくれる？」

私「……笑」

こんな事で、ヤキモチ妬いちゃう
玉ちゃんをみたら、

やっぱり樹さんを越えられるのは
私かもしれないって思えてくる

だって、好きとかわかんないって
言ってた人が

こんなわかりやすく、ヤキモチ
妬くなんて……

でも、私には、

大きな壁があって

私「柚葉に、……なんて言うの？」

玉「んー」

私の顔を見て、しばらく考えた後

玉「考えとく」

頭をポンポンとされた

私「……傷つけたくないの」

私が玉ちゃんを好きになった時点で
傷つける事をしてるくせに、

これ以上は、なんて偽善者ぶってるのも
わかってるけど、

やっぱり柚葉を失いたくもなくて……

玉「わかってるよ、友達だもんな」

私「うん」

離れがたくて、気づいたら
日付けを跨ぎそう

私「あ、もう帰らなきゃ。
明日仕事でしょ？」

玉「送ってく」

新鮮、

玉ちゃんちから帰るとき、
いつも逃げ帰ってた気がするから

私「大丈夫、すぐそこだし」

玉「じゃ、着いたら電話して？」

うわ、これも新鮮

電話とかした事ないし

って、

私「番号知らないよ……」