小さな幸せ

38 〜Ki side〜 ページ38

俺の話し声で、
目を覚ましたのか、もぞもぞと
動きだすA






北「ごめん、起こしちゃった？」



私「……」




あれ？



目、合ってるよな？



しばらく見つめ合うと、



ふにゃって笑って、俺の胸に
擦り寄ってくる



寝ぼけてんのか？



また、スースー寝息をたてはじめる



なにこれ、すっげー可愛いんですけど




……起こしたい




くっついてる、Aの頭をなでながら葛藤




30分か……



うん、無理だ



30分……



俺的には、ぜんっぜんいけっけど



はじめてが、寝込み襲うとか



だめだろ




俺、仕事好きだけど、
はじめて行きたくないって思ったわ



それもこれも昨日俺が寝ちゃったのが
悪いんだけど





起こしたい衝動にかられたまま



俺に巻きついたAの腕を、そっと外して



起き上がると



Aがゴロンと反対側に寝返りをうつ




！！！！！



やっべっ！ 落ちる！




ドッスン！




あ、落ちちゃった……




……




北「嘘だろ？(笑)」




ソファーから落ちたのに、
そのまま寝てるんですけど



これ、どうやったら起きんだ？



自分が起きる時間には、ちゃんと
起きんのかな



不思議で仕方ない




……って、観察してる場合じゃなかった



一旦うち帰って、仕事の支度だ




床で寝始めたAに布団をかける




私「……みっくん？」




このタイミングで起きるんかい




北「おはよ(笑)」



私「おはよう」




起き上がったAの前に
しゃがみこむ




北「ごめん、もう行かなくちゃ」



私「うん、もっと早く起きれば良かった……」



北「ほんとだよ(笑)」




残念そうに言ってくれるから
腕を広げると、ぎゅっとくっついてくる




北「ごめんね、昨日寝ちゃって」




俺の胸に顔を埋めたまま首を振るA




北「今日、早く帰ってこれそうだったら、
また来ていい？」




コクコク頷くAに、頬が緩む




北「連絡するから」






……





二「うまくいったんだ(笑)」




ロケバスの中で二階堂が話かけてくる



今日は、メンバー全員で軽井沢へ
むかってる




北「あ？」




俺、一言も喋ってねーけど




二「ニヤけてるよ？」




嘘だろ？顔に出てんの？

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