そして、あなたに……4

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藤「ケンジ、ごちそうさま」



ケ「おぅ、また来なよ、
タクシー呼ぶ？」



藤「いいよ、歩いて帰るわ
Aのダイエットの為に(笑)」



私「なんだと？」



ケ「あははっ、デザート分消費しなくちゃね」





店を出て、人通りのない道を
選んで歩く




藤「ひとりの時は、ここ通っちゃダメだよ？
明るい道通って帰って」



私「大丈夫だよ、誰にも相手にされないから」




しっぶーい顔して私を見る




藤「ほんとだめ、心配だから。
さっきもさ〜、手握られてたじゃん」




繋いでた手の指を絡めて、
わたしの顔の前に持ってくると



手の甲にチュッとキスされる





やっぱり見てたか




私「握手だよ(笑)」



藤「ほらわかってない」



私「心配？」



藤「心配」



私「ふふっ、嬉しい」



藤「は？」




細ーい目で見られる




私「だって、私ばっかり心配してたら
不公平だもん」



藤「なにそれ(笑)」





そんな会話をしてたら


目の前に絶景が現れる





私「あ！さくら〜！見て見て！きれーい」




ふたりで上を見上げる




藤「きれいだね」



私「ここ、通ってせいかーい(笑)」




手を繋いでる反対の手で、
携帯を取り出し、桜に向ける




パシャ！




私「あー！！！」




カメラの前にニョキっと出てきたたいちゃん




私「もう！」



藤「ふふっ、一緒に撮ろうよ」



私「え、いいの？」



藤「あたりまえでしょ？」




たいちゃんと一緒に写真なんて、はじめて




藤「かしてみ？」




携帯を渡す




顔をくっつけられて、バクバクいう
私の心臓




藤「笑えよ(笑)」



私「いや、だって、外でこんなっ」



藤「はい、にーーー」




パチリっ




桜と一緒に、楽しそうに
笑うわたしとたいちゃん




やばい、これ宝物




私「待ち受けにしたいなぁ」



藤「すればいいじゃん」



私「ううん、いい。大事に保存しとく」




この世の中、なにがあるかわからない



なにかの間違えで、今の関係を崩す事は
したくない




藤「……A」



私「ん？」



藤「気つかわしてごめん、
ありがとな」

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