恋愛禁止令解除？【うたプリ】

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そして今




トキヤ「A？」

あ「あ、ぁえっとね…かくかくしかじか…」

トキヤ「かくかくしかじか、じゃないでしょう。私を怒らせたいんですか？」



眉間にしわが寄っているトキヤ
いけないいけない！


これ以上怒らせても面倒だし、ちゃんと言おう

あ「あのね…」




私は話した。鼻歌だけで私の才能？を見込まれ、カラオケ大会で歌った時に突然誘いに来たこと。用意された特別推薦枠でここに転入してきたこと





あ「てことだよ」

トキヤ「…」

あ「お、怒ってるの？」



恐る恐る聞くと、はぁと大きなため息をつくトキヤ




トキヤ「当たり前です！急にメールを送っても返信こない、電話をしてもつながらなくなりましたね｣

あ「(そっちかい)ご、ごめんなさい」

トキヤ「私がどんな思いをしてAからの連絡を待っていたか…｣

あ「うう…ごめんねトキヤ」

トキヤ「まさか、壊れたまま放置していた、なんて言いませんよね？」

あ「…」





さすがトキヤ。




トキヤ「はぁ…呆れますね」




そう言って、トキヤの顔が近づく
鼻と鼻が触れるまで、あと１センチ





やばい、と思った





あ「ちょ、トキヤ。近すぎ…」


トキヤ「……」


あ「ね、トキヤってば」


トキヤ「…」


あ「一旦離れよ？」


トキヤ「…はな、れる？」





今にも消えそうな声でそういうトキヤに私は驚きを隠せずに、




あ「え？」




と聞き返した時には既にトキヤの腕の中。私の後頭部と背中に手が回され、ぎゅっと抱きしめられる




あ「と、トキヤ？」


トキヤ「…い…た…」


あ「え？」


トキヤ「会いたかった、A…」






か細い声でそういうトキヤに私の心は締め付けられる。


会いたかった、その一言でトキヤがどれだけ心配していたか、寂しい思いをしていたか悟った




よしよし、とあやすように背中をさすると、私を抱きしめていた腕を下ろし、「何するんですか」と少し微笑みながら言うトキヤ




あ「(よかった、笑ってくれた)」







どのくらいの時間が経っただろうか






トキヤ「カラオケ大会、何を歌ったんですか？」

あ「アメイジング・グレイス。ほら、一緒によく歌ってたでしょ」

トキヤ「……ほう、ならいいです」

あ「？」




それから私達は沢山話した。
昔と変わらないこの感じが心地よくて、時間を忘れて話し込む





あ｢(…あの感動的な空気はどこに行ったのやら)」







〈お昼休みは、とっくの間に終わっていた〉

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