転生 ページ10
サーブは安定の南くん。
ここはきっちりと入れていく。
少しだけ相手を乱せたが、天才セッターくんはあまり移動しなかった。
クロスとオープンをブロックでしめて、
ほんの少しのストレートを打てるくらいの隙間を開けて打たせる。
なぜならその先にいるのは守護神。
ﾄﾝｯ
夕先輩は必ず取ってくれる。
少し大きく上げてくれたボールを眺め、
思考する。
俺はどこにいたらいいのだろう。
どの位置に行けばいいんだろう。
思考よりも先に体が動き出した。
俺の体はもう答えが出ているようだ。
ならあとは、体に思考を追いつかせるだけ。
俺の体が動いた先は右。
俺のいちばん得意な右からのストレートだ。
ついてくるブロックは3枚。
今までで一番の数。
それがどうした。
ビビることなんてない、怖がる要素なんてない。
必ずしも打ち破り、床にたたきつけなければならないことは無い。
後ろには仲間がいる。
俺が失敗してもきっと拾ってくれる。
2枚だろうが、3枚だろうが。
好きなだけ着いてこい。
俺は狙うよ。
ﾄﾞｯ
ﾀｧﾝｯｯ
ブロックアウト。
｢ワンチ！！｣
相手コートのブロッカーが叫ぶ。
その球は多少勢いは落ちたものの、遠くへと飛んでいく。
無慈悲にも
残酷にも
そのボールは床に落ちた。
ﾋﾟｯ!
｢｢｢｢｢｢っ、うぉぉぉおおおおおお！！！！！｣｣｣｣｣｣
｢っしゃあああ！！！！！！｣
｢｢新星！！！｣｣
南くんと北斗くんが第一陣、前から熱くて暑い抱擁、
そして第二陣の東くんの後ろからの抱擁、
さらに第三陣の夕先輩のジャンプハグ、
最後に主将がタックル。
文字で表してもわかるほどにはぐちゃぐちゃのもみくちゃだ。
でも俺はこの瞬間が大好きで。
これからも何度だって体験したい。
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肺の燻製(プロフ) - 703さん» 703様からのコメントに作者の私の心もしっかりと鷲掴みされてしまいました。コメントありがとうございます。ぜひこれからも楽しんでいただければ幸いです。 (3月17日 13時) (
レス) id: f1877497e8 (このIDを非表示/違反報告)
703(プロフ) - コメント失礼します作者様の巧みな文字の動きに毎回心を鷲掴みです！ワクワクが止まりません！新星くんがとってもカッコよくて安定感を持っていながら南くんや東くんなどのキャラもしっかりと作り込まれてい応援が止まりませんとくに最新話の2年生4人に痺れました！ (3月17日 2時) (レス) @page4 id: 122d3150cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肺の燻製 | 作成日時：2024年3月16日 18時
