『Jealousy』by,ナオミ ページ15
中原幹部(中也)との事があって数週間。
私達は逢引もしたし、互いの家に行ったりもする様になり、幸せな時間を満喫していた。
―――――けれど、幸せという者は、容易く引き裂かれるものである。
私「くっ……………何のつもり、佐久さん」
女「何のつもりか、ですってぇ?
貴方が悪いのよ、雨宮A。
あんたがあたし達から、中原さんを奪ったのがいけないのよ!」
私「っ!!」
腹を蹴られる。
事の発端は、つい数分前だった。
女「雨宮さん、ちょっと良いかしら?」
佐久達が、私を連れて……否、私を攫ったのだ。
連れて行かれたのは、古めかしい倉庫。沿う事言っても、何かがある訳では無い。
其処でナイフも銃も奪われ、今は縄で縛られて、手も足も出ない状況だ。
だが、幸運なことに、良い情報も手に入った。
どうやら佐久達は、他の組織のスパイだったらしい。
話している声が丸聞こえだよ、莫ー迦。
私「…………何が目的なの?」
女「何がって、あんたから中原さんを取り戻すだけよ。
元はあんたが奪ったんだから」
私「っ、中也はお前のものなんかじゃない!」
女「軽々しく中原さんの名前を呼ぶんじゃないわよ!」
駄目だ。この人はもう話が通じないんだ。馬鹿すぎて。
…………仕方ない、かな。
同じポートマフィアの人に使わなきゃいけなくなるとは思って無かったけど、仕方ない。
私「―――異能力【氷華】」
女「あ?」
女「一寸、ねえ未奈、何この氷」
女「氷?」
私「………氷桜ノ舞」
女「「「わああああああ!!!?」
氷で出来た桜の花弁と、氷の冷風が佐久達を取り巻く。
超冷風の風と氷の華は佐久達の体にまとわりつき、体を凍らせた。
勿論、凍らせただけだから生きてる。仮死状態って感じかな?
私「っう…………!」
縄を氷で斬って立ち上がると、殴られ蹴られした箇所が痛んだ。
その時。
中「A!!」
私「あ………中也………」
中也が来てくれた。
中「……少し休め、A」
私「う、ん……」
言われるがまま、私の意識は途切れた。
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作者名:妃薫 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nakaharaty1/
作成日時:2017年3月29日 18時