抱えた闇は知っている Ｆirst,Story

3＊笑顔 ページ4

［SIDE:A.T］


「みんな、久しぶり。

　3週間ぶり？」

ホントやもっと会ってない。

けど、

悲しくなるから言いたくなかった。

「そのくらいだね。

　まぁ、アーヤとは毎日会ってるけど。」

意地悪な声を出す翼。

私、喧嘩の原因作っちゃった？

「『俺だけ特別アピール』すんじゃねぇ。」

若武が翼の席に近寄る。

そしてまた喧嘩が始まった。

相変わらずの二人。

でも、

私は、『相変わらず』に笑うなんてできない。

家に帰ったら、

すぐ悪夢になるんだから。

私が、幸せでいられるのは、

学校にいる時と

皆と会えているときだけ。

「アーヤ。

　言いづらいんだけどなんか痩せた？」

勘のいいその言葉の主は黒木君。

暴力のおかげで食欲もなくなり、

1日2食の日だってある。

「そうっ？
　やった。

　最近ダイエット中なの。
　
　気づいてもらえ良かった!」

最近私は、

作り笑いがうまくなってきた。

上手くなりたくもないのに。

そんな中、

まだ喧嘩は続いていた。

クスッ。

いつまで続いてるんだろう(笑)

「立花。笑った？」

上杉君の声にハッとする。

「こいつらのケンカで笑ったやつ初めてだ。」

「見飽きただけじゃない?」

「若武がよわすぎるからじゃないかな。」

この時、

久しぶりに心の底から笑った。

4＊らしくねぇ→←2＊唯一の楽しさ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す