手のかかるやつ ページ10
From.Severus
正直フィリットウィック先生に呼ばれた時は何事かと思ったが、あいつのことらしい
「全く手のかかる生徒ですな」
「まぁ言うことを聞いてくれるだけ良いじゃないですか。それにこっちの気候に慣れてないんですよ」
先生とは寮監同士ということもありそれなりに話すが、彼は優秀でその上生徒をよく見ている
「全く生徒煩悩ですな」
「私に言わせれば君も十分生徒思いですがね」
同時にそう言うことまで一々把握しているので嘘が通用しない人もある
病棟に着くと、あいつは安心しきって寝ていた
「先生方有難うございます」
奥から出てきたマダムポンフリーは寝ているそいつを驚いた目で見ていた
「さっきデザートを出したばかりなのに…」
マダムは皿を片付けると椅子を3個出し、わたしたちにも座るよう言った
「それで体調不良の原因は?」
「単なる風邪ですね」
先生の問いにマダムが呆れたような安心したような声で言った
「ですが彼女は…少し勉強のしすぎなのでは?」
私たちはその問いに首を縦に振らざるを得なかった
「今までの受験勉強の影響でなかなか手が抜けないのだと言っていましてね」
寮監が少し困った顔で言う。身に染み付くほど勉強させられるなんて、日本の教育システムに私は感嘆半分呆れ半分の気持ちだった
「ですがこの年齢で普通の頭脳労働と同じ感覚で魔法を使っていたら、最悪の場合魔力の枯渇なんてことも…」
私はそれは心配しすぎだと思ったが、健康にあまり良くないのは間違いないと頷いた
「なので先生方には、この子が普通の学生と同じくらい『下らない』生活をさせていただきたいんです」
「…今も追加課題などを出すほど悪い成績ではないので他の生徒より自由時間はあると思いますが…自分から勉強するのを止めろということですかな?」
「えぇ、勉強のし過ぎは是非防いでいただきたいですわ」
マダムは私の問いに当たり前だというふうに頷いた
「この子は特にお二人を深く信頼していると伺ってのことです。私だってこのような対処は滅多に致しませんが、この子は不慣れな環境でよく出来すぎているんです」
マダムの声が少し大ききなったのに気づいたのか、寝ていたAが目を開いた
いつもしっかり結んでいる髪は下され、いつも凛としてる目はどこか微睡んでいる
…セブルス先生がいるから、大丈夫かな…
そういうAの心の声が頭に流れ込んできた
「っ?!」
驚いた私をみて微笑んだAはまた目を閉じた
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エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nagisa | 作成日時:2022年3月13日 8時