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小テスト期間 ページ22

FromA
結局14日は学校全体が浮かれ気分で、あちこちで減点の声が響いた
薬学の授業前に私に手紙を渡しに来た合同授業のハッフルパフ生も先生に見つかって減点された
「…別に規則は破って無いじゃないですか…」
「…五月蝿い」
授業終わりの先生はとても不機嫌だった

今は2月末の土曜日
この2週間ほどは寒さで散漫になった生徒の学習意欲をどうにかしようと先生型が躍起になってやたらと小テストをやりたがるので学習が中々大変だった
先生は私室のソファに座り『夕刊預言者』に目を通していた
この前私に記憶の一部を見られたからか、先生はこういう時も以前よりも気を引き締めている気がする
今も前の様な猫背ではなく、大広間や教室、廊下などの「外」でみる良い姿勢をしている
「…あれは事故ですから、そんなに気にしなくても…」
「君は解っていない様だが、こうしているうちにも刻一刻と君の開心術と閉心術はその強さを増しているからして、教授である私も油断はできぬ」
先生が言うように、私は何故か以前より格段に人の心を読める様になってきている
目さえ合わせられればだが…一時的な感情は相手に気づかれずに読めるし、相手に少し記憶を遡っている感覚を与えても良いなら台詞の様な形で心の声を聞くこともできるようになっていた
「でも私…別に出来るようになりたいと思ってません。そもそもどうして出来るようになってるのか解らないし…」
「それだから更に難解なんだが…このまま何も分からなければそのうち日本の専門家の力も借りなければならないかもしれないと校長が仰っていた」
魔法は元々世界各地でバラバラに発達してきた物なので国によってその形態もかなり異なると魔法史で聞いた事はあるが、やはり私の魔法の大部分は日本由来のものでイギリスの魔法とは違う点も多いらしい
「…そもそも日本の魔法族出身がイギリスの魔法教育を受けても効果あるんですかね?」
「今のお前の魔力を見ると問題は無さそうだな」
立ち上がって紅茶を淹れていた先生は私の方に近づき、私の目をまじまじと見た
「…先生って距離感近いですよね…」
今も私の目と鼻の先から私を見下ろしている
「目を逸らさなくても良いのか?…もう心を読まれる事はない自信があると言うことか?」
「今はあまり危険じゃないかと…」
「成る程…だが、警戒を全て解くのは賢明ではないな」
そう言うと先生は私の耳にキスをした
「えっ、な⁈」
「心の動揺は魔法以外でも生じさせられる事を肝に銘じておけ」

敬称省略→←フクロウとチョコレート



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エマ - 「私だってもう教師なのに」という教授のセリフが堪らなく可愛くて悶絶しました。ありがとうございます。 (2月12日 0時) (レス) @page27 id: 39c076b3bd (このIDを非表示/違反報告)
岡P(プロフ) - お話とても面白かったです。この先どうなるのか更新楽しみにしています。 (2023年3月9日 23時) (レス) @page33 id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - 箱さん、コメントをくださり誠に有難うございましたした。 (2023年3月8日 3時) (レス) @page31 id: d439bf7a27 (このIDを非表示/違反報告)
-  ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月27日 22時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
nagisa(プロフ) - ユカさん、ありがとうございます。もう少し頻繁に更新できるように頑張ります。 (2023年1月16日 22時) (レス) @page30 id: cffaeac670 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nagisa | 作成日時:2022年3月13日 8時

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