…火神君はすごいですね ページ6
黒子side
A｢2人とも、送ってくれてありがとう｣
火神｢おう、とっとと寝ろよ｣
黒子｢それでは、また明日｣
A｢うん！ばいばーい！｣
Aさんを家まで送ると、そのまま火神君と歩き出す
ふと振り返ると家の前で大きく手を振る彼女に僕も手を振り返す
すると少しして彼女は家の中へと入っていった
黒子｢…火神君はすごいですね｣
火神｢あ？なんだよ急に。お前も十分すげーだろ｣
黒子｢バスケに関してではありません。僕は話を聞くことは出来ても、彼女にかける言葉を…｣
火神｢声掛けてやることだけがあいつの為になることじゃねえよ。お前がいてくれるだけであいつにとって助かることだってあんだろ｣
そう言う彼は気を使うでもなく、思っていることを言っているようだった
黒子｢中学の頃、僕は彼女を助けられなかった。苦しんでる彼女に気づいてあげられなかった。それなのに、彼女はずっと僕達を守ろうとしてくれていたんです。僕はもうあの時の後悔を二度と繰り返したくないです…｣
火神｢だーっ、お前はいちいち考えすぎなんだよ！お前らの間に何があったのかは知らねぇよ。けど、もしそれで黒子をAが恨んでるなら、こんな風に一緒にいたりしないだろ。｣
黒子｢っ！……痛いです｣
ばしっと叩かれた頭をわざとらしく痛がってみせると、お前がうじうじしてるからだろ、と返される
黒子｢彼女は僕と居て楽しいでしょうか？｣
火神｢んなもん本人に聞けよ。｣
黒子｢そうですね。｣
僕は少し楽になった気持ちを感じながらふっと笑う
黒子｢火神君｣
火神｢ん？｣
黒子｢彼女のことをどのくらい知っていますか？｣
火神｢どのくらいって、俺が知ってるのはあいつが日本に行く前の中学にあがる前までだ｣
黒子｢そうですか…。彼女は中学の頃、かなり辛い思いをしたと思います。だから、誠凛にいる間を充実したものにして欲しい｣
火神｢それを決めるのはあいつ自身だろ。俺らがどうこう出来るもんじゃねえよ。｣
黒子｢それはそうですけど。｣
火神｢だーかーら！うじうじすんな！｣
再びばしっと叩かれ、火神君をみる
火神｢俺らが出来ることはそばにいてやれることをやるだけだろ｣
黒子｢はい！｣
その後しばらくすると、交差点にさしかかり、そこで火神君と分かれるとまっすぐと自宅へ向かう
中学の頃の彼女を思い出し再び、二度と繰り返さないと心に決めた。
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作者名：凪咲 | 作成日時：2019年2月1日 1時
