【過去編】それぞれの思い ページ47
黒子side
それから数日後、彼女は女子の一軍に選ばれた
青峰｢おーいAーっ！｣
A｢大ちゃん？｣
彼女の話を聞いた翌日、お昼を食べるためにAさんに声をかける
青峰｢聞いたぜ！一軍に選ばれたんだってな！｣
A｢うん｣
青峰｢これで、やっと俺に追いついたな｣
A｢…そうだね｣
その日のAさんはどうも様子がおかしい
どこか上の空で、一軍に選ばれたことを喜んでいるとは思えなかった
黒子｢Aさん、何かあったんですか？｣
A｢何かって？｣
そう聞く彼女の目は何かに怯えたような目をしている気がした
A｢あの…ごめん。私用があってお昼一緒に食べれない。ごめんねっ｣
そう言って彼女は走り出してしまった
黒子｢あっ、Aさんっ｣
青峰｢おいっ！｣
僕達の声も届かず、彼女の姿は教室の外へ消えていった
その時に気づくべきだったんだ
その姿を見ていたのが自分達だけじゃなかったことに、その目が嘲笑うような気持ちの良いものではなかったことに。
Aside
お昼の時間になった瞬間、体が重くなったかと思うと、耳元で聞きなれた声がした
青峰｢聞いたぜ！一軍に選ばれたんだってな！｣
大ちゃんの嬉しそうな声が今の私にはとても苦しかったんだ
A｢うん｣
青峰｢これで、やっと俺に追いついたな｣
A｢…そうだね｣
黒子｢Aさん、何かあったんですか？｣
心配そうに見ている彼の瞳に吸い込まれそうになる
A｢何かって？｣
そう言うとテツ君は何も言わずにこちらを見つめている
A｢あの…ごめん。私用があってお昼一緒に食べれない。ごめんねっ｣
このまま一緒にいたら2人に迷惑がかかる
私は慌ててその場を立ち去った
黒子｢あっ、Aさんっ｣
青峰｢おいっ！｣
2人の声が聞こえて胸が苦しくなった
私は誰もいない旧校舎の屋上で1人うずくまる
一応お弁当を持ってきてはいたものの、とても食べるなんて気になれずただ空を見上げる
私の心の中とは裏腹に、真上には雲ひとつない青空が広がっていた
私はバスケが続けられるのかな…
不安になるとすぐ2人の顔が浮かぶ
A｢だめだなぁ…｣
私はそっとリングを手に取ると、強くならなきゃと呟いた
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作者名：凪咲 | 作成日時：2019年2月1日 1時
