今日は随分静かですね ページ5
黒子side
3人でさっき買ったジュースを飲みながら歩いている
ただいつもは明るく話の中心にいるAさんが今日は大人しい
黒子｢今日は随分静かですね｣
A｢あー…ちょっと疲れちゃって｣
えへへ、と頬を掻きながら困ったように笑う彼女を見てすぐに何かあるのだと分かる
"黒子:Aさん、その怪我どうしたんですか？"
"A:あー、これ？…ちょっと転んじゃって！"
そう言って頬を掻きながら笑う彼女の様子を疑問に思いながらも僕はその時何も気づいてあげられなかった
"黒子:Aさんっ！！？"
"A:テ…ツ……君…大丈夫だ…から…"
あの時彼女の癖に気がついていればあんなことにはならなかったのに…
黒子｢Aさん、何かあったら僕達が相談にのります、仲間ですから｣
僕はもうあの時のように、苦しむ彼女を見たくはない…
A｢…ありがと｣
僕の言葉に彼女は申し訳なさそうに笑った。
そんな彼女に僕は何も言えず、小さくはい、と返すしかなかった
火神｢…遠慮してんじゃねえよ｣
A｢え？｣
黒子｢っ？｣
火神｢なんかあんだろ？今更気使う必要ねぇだろ、仲間なんだからよ｣
A｢…大我。｣
火神｢お前はそう思ってなかったのかよ。俺も黒子も心配してんだよ。無理にとは言わねぇ…けどよ、もう少し俺達を頼れよ？｣
そう言ってぽん、と彼女頭を撫でる火神君の顔はとても優しい顔をしている
A｢…私優しい子になれてるのかな？｣
火神｢？｣
A｢前に父さんと母さんが言ってたの。あの夕日みたいにみんなを包めるような暖かくて優しい子になりなさいって。私…そうなれてるのかな…｣
火神｢んだよ、そんなことかよ｣
A｢そんなことって、私はっ…｣
火神｢なれてるに決まってんだろ！｣
彼女の声を遮って言った彼の言葉にAさんは驚いて目を見開いている
火神｢お前がそうなろうと頑張ってきたんだろ？だったら誰がなんと言おうと、目指してる限り近づいてってるに決まってんだろ。俺が保証してやる｣
そう言ってニカッと笑う彼にAさんはうっすらと涙を浮かべながらうん、と大きく頷いた
火神｢泣いてんじゃねえよ｣
とぶっきらぼうに言っているが、そっと涙を拭う様子は本当に優しいものだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凪咲 | 作成日時：2019年2月1日 1時
