【黒バス】帰国子女の天才は抱きつき魔??(ⅱ) (ページ11)

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また気づいてあげられませんでしたページ11

黒子side

A｢楽しくないわけないよ…テツ君のばか！｣

黒子｢Aさんっ！｣

教室を出ようと走り出したAさんを咄嗟に呼び止めるが、伸ばされた腕が届くことはなかった

火神｢黒子、あいつどうしたんだよ！？｣

黒子｢…またやってしまいました…｣

そう言うと僕はついさっき起きた出来事を話した

小金井｢それってそんなにひどい事なの？｣

黒子｢え？｣

伊月｢ちょ、こが！Aさん結局泣いて出てったんだから…｣

日向｢そうだぞ！…でも少し思い詰めすぎているとは思うが。｣

リコ｢…他になにかあるんじゃないの？｣

火神｢黒子。あったんだろ？中学の時あいつに何があったんだ？｣

黒子｢それは…｣

先輩や火神君の言葉に僕は口を濁す

黒子｢…すみません。僕の口からは言えません。彼女はきっと思い出したくもないでしょうから。｣

火神｢あーっ、もうお前うじうじすんな！｣

降旗｢あ、あの…俺思ったんですけど、Aさん泣いてでてったなら、楽しくないって思われてたのが悲しいって言うか、その…｣

日向｢そうか、Aさんは楽しくないんじゃなくて｣

黒子｢っ！僕ちょっと行ってきます｣

僕はすぐに部室を出ると誰もいない廊下を走り出した

黒子｢はぁ、はぁ…｣

学校を走り回っても彼女が見つけられず、屋上から学校を見下ろす

黒子｢っ！｣

すると反対側の校舎から見える教室にぼんやりと人影が見えた

僕はすぐに走り出した

そうだ、あの時も彼女は1人で泣いていた…

"黒子:…Aさん？"

"A:っテ…ツ…君？"

忘れ物をして戻った教室には机に座る彼女の姿があって、振り返った瞳には涙が浮かんでいる

"黒子:どう…したんですか！？"

"A:…わ……たし……う、うぅ……ふえーん"

"黒子:っ、Aさん！？落ち着いてくださいっ！"

あの時も彼女は1人で泣いていた

ふうっと扉の前で一息つくと、ガラガラっと扉を開く

黒子｢Aさん…｣

自席で机に顔を埋めている彼女に声をかけるが返事はなく、そっと近づいていく

黒子｢Aさん？｣

窓側を向く彼女をそっと覗く

するとひくっ、とときどき体を震わせながら寝ているようで、少し目も腫れているようだった。

黒子｢すみません…また気づいてあげられませんでした。｣

僕はそっと彼女の頭をなでると、ん…と声が漏れる

僕は隣に座ると彼女をそっと見守るのだった