珠玉 ページ19
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Aは涙を拭うと、鞄から包み紙を取り出した。
「……リドルへのプレゼントだよ」
「開けてもいいかい？」
Aが頷くのを待って、リドルは包みを丁寧に開ける。ピジョンブラッドルビーの羽根ペンと、ひと回り小さな羽根ペンが姿を現した。
爛々とした赤い宝石。その輪郭を指でなぞった。馴染み深い感触に目頭が熱くなる。
これは紛れもなくリドルのピジョンブラッドルビーの羽根ペンだ。
「その宝石の色がね。リドルの瞳と同じ色で、きれいだと思って……リドルにプレゼントしたくて買ったの」
「A……今でも僕の瞳は、きみにはきれいに映るかい？」
世界再構築する直前、物言わぬA相手に問い掛けたことだった。それを今、リドルは口にした。リドルの真剣な声色にAは目を瞬かせる。そして、穏やかに微笑んだ。
「リドルの瞳は、今も昔もずっときれいだよ」
それはリドルにとって珠玉の言葉だった。息を呑むリドルにAは続ける。
「ヒッポグリフと空を駆けたときに見た赤い星も、リドルの瞳の色にそっくりだった……深みがあって、とても温かい色」
ずっと、Aから贈られたものはピジョンブラッドルビーの羽根ペンだけだと思っていた。なんて愚かな勘違いをしていたのだろうか。
Aがリドルに与えた言葉があったからこそ長い孤独にも耐えることができたのだ。彼女の紡ぐ言葉の一つひとつが最上の贈り物だった。
「A……ありがとう」
もう二度と彼女の美しい言葉が散ってしまわないように。
「ずっと、大切にする」
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くろさわ(プロフ) - mikittyさん» お返事が遅くなりすみません！評価とお気に入り作者登録ありがとうございます！更新再開しましたらまた読んでいただけると泣いて喜びます！ (4月24日 20時) (
レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 最初から最新話までいっきに読みました。世界観や言葉選び、関係と心の変化、物語の展開、全てにおいてドストライクでした。最高です。お気に入りと高評価させて頂きました！お気に入り作者にもしました！またの更新、とても楽しみにしております！ (3月22日 8時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
くろさわ(プロフ) - とーるさん» →なので、図書室に帰ったとて夢主は笑うことはなく…あまりにもリドルが不憫なので救済エンドを書いてあるのですが更新するか迷ったまま放置してました。。気になるところで切っててすみません！新章もうしばらくお待ちくださいませ！ (11月26日 16時) (レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
くろさわ(プロフ) - とーるさん» 夢主はトムに恐怖心もありますが、悲しみの気持ちの方が強かったりします。好きな人の心を壊したのは自分だと思っているのです。でも、【分岐】で良心を手放してしまったリドルには夢主の感情を理解することは出来ず、すれ違ってしまっているのです。文字制限のため→ (11月26日 16時) (レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
とーる(プロフ) - メリバでトムがずっと勘違いしてるのは主人公から恐怖を抱かれているということから目を背けているんだろうなぁと思うとすごく愛おしいですね。また新章待ってます！エイブリーの正体が気になりすぎる、、、！ (11月26日 10時) (レス) @page46 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろさわ | 作成日時：2022年8月7日 16時
