慟哭_2 ページ2
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『その宝石の色がね……リドルの瞳と同じ色で、きれいだと思って……リドルにプレゼントしたくて買ったの』
『うん……あと、ヒッポグリフと空を駆けたときに見た赤い星も、リドルの瞳の色にそっくりだった』
『深みがあって、とても温かい色』
リドルの脳裏に、Aの言葉が蘇る。
「A……今でも僕の瞳は、きみにはきれいに映るかい？」
リドルは己の顔に触れた。リドルの顔に昔の面影はない。血色のない引き攣った肌、抜け落ちた髪、鼻は削げ落ち、舌には蛇を彷彿とさせる亀裂が入っている。人と形容するにはあまりにも醜い様となっていた。
リドルは死者蘇生に繋がるありとあらゆる闇の魔術を行ってきた。しかし、一度としてAが目覚めることはなく、リドルが得るのは魔術の反動から来るとてつもない苦痛だけだった。
魔術の反動に命の危険を感じて、リドルは分霊箱を作った。命を繋ぎ止めることには成功したものの、苦痛が和らぐことはなく、リドルの体を常に蝕んだ。
その苦痛は、想像を絶するものだった。舌を噛み切り、苦痛から逃れようと思ったのも一度や二度ではない。その度に、微笑むAが浮かび、リドルは苦痛の中に身を沈めた。そんなリドルを嘲笑うかのように、分霊箱の代償としてリドルは人としてのカタチさえも失った。
もう一度Aの声が聞きたい。
その一心で美しい容姿を捨て、死よりもつらい苦痛に長い年月耐え続けた。それほどまでに、リドルはAに会いたかった。あの黒曜石のような瞳に、もう一度見つめられたかった。
まさか己がこれほどまでに愛に溺れ、身を滅ぼすことになろうとは夢にも思わずリドルは乾いた笑いを零した。
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くろさわ(プロフ) - mikittyさん» お返事が遅くなりすみません！評価とお気に入り作者登録ありがとうございます！更新再開しましたらまた読んでいただけると泣いて喜びます！ (4月24日 20時) (
レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 最初から最新話までいっきに読みました。世界観や言葉選び、関係と心の変化、物語の展開、全てにおいてドストライクでした。最高です。お気に入りと高評価させて頂きました！お気に入り作者にもしました！またの更新、とても楽しみにしております！ (3月22日 8時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
くろさわ(プロフ) - とーるさん» →なので、図書室に帰ったとて夢主は笑うことはなく…あまりにもリドルが不憫なので救済エンドを書いてあるのですが更新するか迷ったまま放置してました。。気になるところで切っててすみません！新章もうしばらくお待ちくださいませ！ (11月26日 16時) (レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
くろさわ(プロフ) - とーるさん» 夢主はトムに恐怖心もありますが、悲しみの気持ちの方が強かったりします。好きな人の心を壊したのは自分だと思っているのです。でも、【分岐】で良心を手放してしまったリドルには夢主の感情を理解することは出来ず、すれ違ってしまっているのです。文字制限のため→ (11月26日 16時) (レス) id: 107fffb2fc (このIDを非表示/違反報告)
とーる(プロフ) - メリバでトムがずっと勘違いしてるのは主人公から恐怖を抱かれているということから目を背けているんだろうなぁと思うとすごく愛おしいですね。また新章待ってます！エイブリーの正体が気になりすぎる、、、！ (11月26日 10時) (レス) @page46 id: 2c1a894765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろさわ | 作成日時：2022年8月7日 16時
