＊282話「反撃開始」向日side ページ13
本人は気づいていないだろう......。
ほんの小さく、
注視しなければわからないくらい、
小さく笑みを浮かべるA......。
下唇をペロッとなめるその癖。
それを見て、そろそろだろうなと確信する。
感じたのはあたしだけではないようで、
藍も嬉しそうに笑う。
「そろそろなんじゃない？」
「気づいた？」
「当然じ！」
「なになに？！何がそろそろなの？！」
あたしらの会話を聞いていたらしい木兎が食い付く。
藍はふふんと胸を張りながら、答える。
「んー、言うならば“本番”みたいな？」
「ん？ もう本番だろ？」
「うん。まあ、そうなんだけど」
そうじゃないんだよな。
と、言う前にホイッスルが鳴った。
「みんなの調子も戻りつつあり、」
「流れも空気もこちらにあり、」
サーブを綺麗に返す紅。
その瞬間に動き出した千草。
「点差はあれど、」
「もうやっても良い頃合い」
飛び出してきた千草に、タイミングばっちしのトスがあがり、
スパンッと良い音を鳴らしながら相手コートに決まった......。
が、すっと旗をあげられ、アウトのジャッジが下される。
「「アウトかー！！」」
思わず二人揃ってのけぞったので、近くにいた黒尾たちが驚く。
Aも肩をすくめながら、千草にごめんと謝っているのが聞こえた。
「高かったね」
「はいっ。イイエ！」
「どっち？」
少し高いのもあったが、千草が固くなっていたのも要因の一つだろう。
とはいえ......。
「余裕でセットをとったって顔じゃないね」
「そりゃそうだ」
厳しい目でAを睨む早乙女に、少しだけいい気分になる。
アウトとはいえ、今までの調子をあげる、空気を変えるセットアップではない。
“反撃の一手”
鷹の目の姫君の実力が発揮される......。
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
