*207話「過去編〜厄介人とプライド〜」 ページ33
それから冬休みに入り、私たちは千鳥山の練習に参加していた。
といっても、練習にまざっているのは私と結良だけだが……。
叶羽はマネの仕事をしていた。
だいぶ、練習にも慣れてきた某日。
「ちょっと、何今のトス!! 寝てんの!?」
「セッター志望ならもっとスパイカーに尽くしなさいよ、下手くそ!!」
体育館に響く、罵倒悪言の雨あられ。
初日から感じていたが、二つ上の先輩たちはとてもプライドが高かった。
そして、勝ちに対する意識も強く、
練習が少しでも思い通りにいかないと癇癪を起した。
その矛先が私だった。
トスが少しでも乱れると、先輩たちはキレた。
先生がいるときはまだソフトな言い方だが、いないときは容赦なかった。
このときもそうで、少しネットに近かったがために怒鳴られた。
私は黙って、それを受け止めていた。
「返事もできないのかよ!!」
その態度も気に入らなかったのだろう。
先輩が急にうでを伸ばしたかと思えば、思いっきり肩を押された。
派手にしりもちをつき、痛みで顔を歪める。
それを見た元々気の短い結良が駆け寄ってきて、先輩に噛みつく
「何すんだよっ」
「お前には関係ないんだよ」
「親友を傷つけられて黙ってられるわけないだろ?!
第一、あんたらが打ちやすいトスも教えてくれないのに一発で合わせられるわけないっ」
「そんなん見て気づけよ」
「な、あんたらなあっ」
理不尽な理由に、頭に血が上ってしまった結良が手をあげそうになるが、
いつの間にか私たちのところに来てくれた叶羽が彼女を止める。
それに便乗して、真赭さんたちも落ち着かせようと肩を軽くたたく。
渋々拳をおさめる結良にほっとする。
「でも、東雲の言い分ももっともですよ」
「お前は黙んな」
真赭さんがそういってくれるも、聞く耳を持ってもらえない。
当時先輩たちは、
睨みあう先輩たち。
私は立ち上がって、その間に入っていった。
「すみません。次は合わせます。もう一回お願いしますっ」
そのときの私がどんなだったかは知らないが、先輩たちは私を見て怯んだようだった。
「しょ、しょうがないわね」
狼狽えながらも、強気な態度を装う先輩の後に続き練習が再開された。
「Aのやつおさめたよ……」
「意外にやるじゃん」
「だねえ」
真赭さんたちがこんな会話をしてたことを私は知らなかった。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時