検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:127,504 hit

*172話「そうじゃない」 ページ40

先生のアドバイスがいい感じにみんなの背中を押したそのあと、


「A、お前もちょっと来てくれ」

「あ、はい……」


孝先輩に呼ばれ、
翔ちゃんと影山君の話を一緒に聞くことになった。



翔ちゃんの言い分を聞いて、
やっぱりそうだなと納得する。
だが……。

横目で確認する限り、影山君も譲れないのが見てとれる。


「でも、試すくらいならいいべ」


試す……。
孝先輩の言葉に、彼も完全には納得できないのだと察する。

GWのときとは違う。
影山君の言い分ももっともだった。
だけど……。


「青城戦のラスト、気づいたら負けてた。
気づいたら、打ったボールは俺の後ろで床に落ちてた。
俺が負けたのに、影山に謝られるなんて嫌だ」


翔ちゃんの気持ちを聞き、その眼を見る度、そうだよねと納得する。

セッターはスパイカーに応えてこそだから……。


「空中でも、最後の一瞬まで自分で戦いたいっ」

「翔ちゃん……」


眩しいくらいに似ている、あの幼馴染(・・・・・)を思い出す。

恐怖か、興奮か、どちらともつかない震えを手に感じながら、
影山君の意見を聞く。


「青城戦で、スパイカーの100%の力を引き出すのが
セッターだってちょっとわかった。
あの速効はお前の最大の武器だ。

そんであの速効にとって、ほんの少しのズレは致命的なズレになる。

あの速効に、お前の意志(・・・・・)は必要ない」


聞き終わった後、ため息をつきそうになり、グッとこらえる。

そうじゃない、そうじゃないんだよ、影山君。
それじゃあ、今までと……。


「っぷ、あははははは」


何故か涙がこみあげてきて、泣きそうになっとき、
いきなり笑い声が響いた。

驚いて、声のした方を見れば、
昨日と同じく制服姿の藍さんが、お腹を抱えて笑っていた。

*173話「間違ってはいない、間違っては」影山side→←*171話「堂々と言える言葉」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
399人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

星蛍(プロフ) - 麗さん» コメントがすっかり遅くなってしまい、申し訳ありません。そうですね。検討しておきます! (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 28ページ こっちゃん とあだ名?で呼ばれていますが、これは固定なのでしょうか? 名前変換出来るのにあだ名だけが固定だと不自然に感じます。 固定の名字から取るなら分かるのですが変換出来る名前から取ったあだ名だと違和感あります。 (2020年11月12日 19時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ムーンさん» すみません!!変換機能をオンにするの忘れてました。直したので、名前変換できると思います。 (2019年2月25日 17時) (レス) id: 4856ab23f3 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 名前がずっと古都となっているのですが変換はできないのですか? (2019年2月24日 22時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» 返信遅れてすみません!! ほめ言葉として受けとります笑 ありがとうございます! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:星蛍 | 作成日時:2015年10月14日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。