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*97話「国見と大和」菅原side ページ13

一回戦に向けて、
アップを取りながら頭隅ではAのことを考える。


大丈夫かな?絡まれてないかな?

その心配が顔に出ていたのか、大地に睨まれる。


「スガ、集中」

「わ、わかってる」


とかいいつつも集中できてないのは事実で、
気になって気になって仕方ないでいると、

Aの声が聞こえた気がした。

ほんの小さな声で周りも気づいていない。


空耳かと思ったが、聞こえてきた声が
痛みを我慢する声だったのでそっと観戦席を見る。

すると、そこには確かにAがいる......。

いるけども、よくわからない男が近くにいて思わず眉をしかめる。


「おい、スガ」

「大地、あれヤバくない?」


動きを止めている俺に注意しようと
声をかけてきた大地に、指を指して教える。

顔は見てないが、隣で息を飲むのがわかった。

反射的に向かおうとしたとき、


「あれ? あいつ青葉城西の」


影山とチームメイトだった......名前は確か、国見?

試合ではどことなくうちの月島に似ていると思っていた彼が、
怖い顔をしてAに近づいたかと思うと男を追い払った。


「よかった......のか?」

「......」


男が去って安心する大地。

それには俺も安心だが......。



何故か、その場から離れずAの隣に立った国見。

ここからでもわかるくらい仲睦まじく話す二人に、
試合前にも関わらずモヤモヤとする。


「知り合いみたいだな」

「......おう」

「よし、じゃあ俺たちは試合に集中するぞ!」


ぐいっと腕を引っ張られて半強制的に練習に戻される。



試合なのはわかってる......わかってるけど!!

未練がましくもう一度チラリとAたちを見ると、
こちらを見ていたAと目があった。

目が合うなりAは満面の笑みを浮かべ


「みんなさん、がんばれ!!」


と、声援を送ってくれた。

その言葉に田中、西谷が食い付き、大地に叱られる。

あいつらバカだなあって
いつもなら思うが、今は気にならなかった。









モヤモヤと集中できなくても

君の一言ですっかりヤル気になってしまう

*98話「いや、可笑しいよね?」→←*96話「蔑み、憐み」



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星蛍(プロフ) - 琴音さん» あちゃー。やっぱりありましたか(汗)。すみませんが、書き方の統一を優先しているので、シリーズが完結次第、誤字修正をしていきます。教えたくださり、ありがとうございます。 (2019年4月1日 20時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - いっぱい間違えてますね。月バリが月バレとか月バスになってたり、聞いてきたが聞いて生きたとか、久藤が久遠だったりまだまだありますけどw (2019年3月31日 17時) (レス) id: f776e23ba8 (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてタヒぬ←w(プロフ) - 正しくはコンクリート出身、日向翔陽です。貴方をぶっ倒して全国へ行きます。だったような… (2016年7月5日 22時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2015年3月22日 17時

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