カタチ。 42 -side 2- ページ25
一度『好き』って言ったら
今まで我慢してたのが溢れて止まらない。
とにかくAちゃんにくっついたし
Aちゃんも俺にくっつく。
「離れてよ」
「……Aちゃんが離れなよ」
「ニカから離れてよ」
Aちゃんの後ろからのしかかったまま
カウンターで芋の水割りを飲みつつテレビを見る俺たちは
このやり取りもかれこれ3回目。
「やだよ」
「じゃあ私もやだ」
「ならこのままだね」
「………仕方ないか」
諦めるからギューって抱き締めてみると「ふふっ」ってAちゃんが笑って
俺の腕にしがみつく。
「ヤバくない?さっきからバカップルみたいだよ」
「ね。こんな事ならさっさと言えば良かった」
「ホント。わけわかんないヤキモチとか妬かなくて済んだのに」
ふわふわ会話しながら焼酎を飲んで
「多分次に会った時には飽きてそんなにくっつかないんだろうね」
「あはは、そうだろうね」
なんて2人で笑い合う。
確かにそんな気がする。
こんなに甘々なのは絶対続かない。
「あ、私、明日は9:55に起きる」
「へー、刻むね」
「うん。キスマイのチケット取るの。一般発売」
「は!?」
驚いてAちゃんを見下ろすとニッて笑うAちゃんは
「私、ミツ担なのっ」
めちゃくちゃ可愛いく言うけど。
はいはい、出たブラコン。
「あっそ」
「だって去年のライブで私の目の前通ったのにニカ気づいてなかったもん。……まぁ、にぃもだけど」
「え?見に来てたの?」
「ローラーで一瞬で通過してったよ」
「それは無理だよ」
笑っちゃうけど
「ニカの演出、好きなの。にぃの頃も好きだけど、ニカの演出やパフォーマンス見てたら『負けらんない』って思って仕事増やしたもん」
Aちゃんが少し悔しそうに言うから。
意外だった。
俺の方が仕事は負けてる、って思ってたから。
「うわ、そんなところまで一緒?俺、Aちゃんが英語とかでバンバン仕事してるの見てめちゃくちゃ焦ってたんだけど」
「え?別に普通じゃん、私の仕事」
「普通じゃなく見えたのっ」
ムニッてAちゃんのほっぺを寄せると肌が柔らかいからすごい顔に。
「あは、可愛いっ」
「嘘でしょ?」
「めっちゃ可愛い」
チュッ、とキスを落とせば
「……そーやって誤魔化して」
嬉しいのを我慢するAちゃんが愛しくて。
「大好き」
ちゃんと言うと
「私も」
照れて答えるAちゃんとまた抱き合う。
すごく幸せ。
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shizu(プロフ) - ななぼーさんさん» はじめまして!ものすごく嬉しいお言葉ありがとうございます!うわー、本当に嬉しいです💗また書かせていただきます! (2022年11月30日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» うわー!嬉しいです、ありがとうございます!落ち着いたら書こうと思います😊 (2022年11月30日 8時) (レス) @page21 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななぼーさん(プロフ) - はじめまして!いつも作品楽しく読ませていただいてます!shizuさんの作品、本当に大好きで何度も読み返してしまうものもあります!今回の作品も大好きです!!続き、楽しみにしてます! (2022年11月29日 19時) (レス) @page18 id: 613beb2b91 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 最高です。shizuさんのお話しのタマちゃんもニカちゃんもだいすきです!!タマちゃん編たのしみにしています!! (2022年11月28日 23時) (レス) @page18 id: fafa72142e (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» 私の中でタマちゃんって中身もイケメンなんで、結果こうなりました☆タマちゃん編も書けたらなぁと思ってます (2022年11月28日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2022年11月10日 0時