カタチ。 29 -side You- ページ12
「本当にいいの?」
「うん」
裕太くんと会って数日後。
私はマキちゃんの美容院に居た。
「じゃあ、いくよ?」
「お願いしまーす」
ジャキッ、と耳元で音がする。
結べるくらいまでのびた髪を
マキちゃんが肩につかないくらいまで切った。
「さらに短くなるからね?」
「分かってる」
「…んーー」
チャキチャキと軽い刃音を立てて私の髪を切りながら
マキちゃんは複雑そうで。
「何でマキちゃんがそんな顔してるかな」
「だってAちゃんが好きな人のために伸ばしてたのにさー…」
「いいんですぅー」
裕太くんの言う通りだよ。
「私が似合う髪でいないと意味無いよ。私は私だもん」
髪が短いってだけで嫌われるならそれまでだし
3ヶ月何も連絡ないって事は
ニカの中で私はもう終わってるんだろう。
だったら綺麗サッパリ髪を切りたい、って思ったら
裕太くんの家を出てすぐにマキちゃんに連絡していた。
「まぁAちゃん代謝いいのか髪伸びるの早いから、またあっという間に伸びそうだけど」
「……マキちゃんが言ってくれたんじゃん、髪短い方が合うって」
「合うのはね?でも結局恋すればみんな綺麗になるから結局相手の好みの髪になるのが1番気似合うんだって」
「うわー、適当ーー」
「違うって。ちゃんと似合う髪を提案してるんだって」
「あははっ」
どんどん短くなる髪が
気持ちまで軽くしてくれてる気がして。
髪を切り終わると
ものすごくスッキリした気持ちになった。
前回ボブにした時は
ニカが喜んでくれるかな、が前提だったから。
自分のために髪を切るって新鮮で
ものすごく前向きになれた。
「わーい!マキちゃんありがとう!」
「どういたしまして」
髪を確認してるとスマホが鳴る。
ディスプレイには『にぃ』って出てる。
「ありゃ、兄だ」
「じゃあお会計準備してるねー」
マキちゃんが離れてくれたタイミングで電話に出る。
「もしもし?」
『わりー、Aちょっと頼まれてくんね?動画の編集してくれる人が急遽必要でさー。あと俺のパソコンに送られてる動画、持ってきてほしーの』
何でも今日完成予定のファンクラブに載せる予定の動画に直しが入って
担当が急病で休んでるわその最新データがにぃのパソコンに入ってるわ
ものすごく大騒ぎらしい。
『頼む!助けてくんね?』
「……構わないけど、私の事バレていいの?」
『大丈夫!誤魔化す!』
なんて言うけど。
それ、上手くいくの?
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shizu(プロフ) - ななぼーさんさん» はじめまして!ものすごく嬉しいお言葉ありがとうございます!うわー、本当に嬉しいです💗また書かせていただきます! (2022年11月30日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» うわー!嬉しいです、ありがとうございます!落ち着いたら書こうと思います😊 (2022年11月30日 8時) (レス) @page21 id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななぼーさん(プロフ) - はじめまして!いつも作品楽しく読ませていただいてます!shizuさんの作品、本当に大好きで何度も読み返してしまうものもあります!今回の作品も大好きです!!続き、楽しみにしてます! (2022年11月29日 19時) (レス) @page18 id: 613beb2b91 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 最高です。shizuさんのお話しのタマちゃんもニカちゃんもだいすきです!!タマちゃん編たのしみにしています!! (2022年11月28日 23時) (レス) @page18 id: fafa72142e (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - さくらさん» 私の中でタマちゃんって中身もイケメンなんで、結果こうなりました☆タマちゃん編も書けたらなぁと思ってます (2022年11月28日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2022年11月10日 0時