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ジンクス(すぐ近くにいる ki) その後 3 ページ34

飲み会の途中で
LINEが来てる事に気づく。



宏光どこ?飲み会。
迎えに行く。



出張帰りなのに。

なに言ってるんだろう。



A大丈夫、出張で疲れてるでしょ?
終電までには帰るから。

すぐにつく既読。
そして返信。



宏光勘違いしてねーか?



何をよ？
ゴルフの事が掲示板に載ったのを私が見て妬いたとでも思ってるのかな。

そのどこか上からな言い方に腹が立って。

返信しないでスマホをカバンにしまう。



たまには私だって
飲んで帰ってもいいよね。

ぐーっとビールを煽ると
どこかほろ苦い。

「うわ、Aさんいい飲みっぷり！」

「仕事の後のビール美味しいですね！」

笑って返すけど。

嘘。
全然美味しくない。

でも場の雰囲気に合わせて言う。



「あはは！Aさん飲めるんですね！」

元々女の人が少ない職場だけど
今日の飲み会には男の人しか居なくて。

一応支店(ここ)では嗜む程度しか飲んでる所を見せていないから何だか盛り上がってくれた。



仕事の話はほとんどしないで
ただ楽しく飲んだ。

ものすごく笑ってスッキリして
楽しく過ごして解散する。

「二次会行く人ーっ」

声が掛かるけど家が少し遠いから帰ろうとして

「私はここで失礼します」

駅の方に体を向けると

「「「えぇーーっ」」」

みんなから残念そうな声を上げてもらっちゃう。



もう十分気を遣われたから

「あはは、明日も仕事ですから」

やんわり断るけど

「いいじゃんもう1軒くらいー」「まだ大丈夫でしょー」

みんなが誘ってくれる。




でもさすがに

「うち遠いんで。ごめんなさい」

謝って歩き出そうとしたら

「いいじゃん、あと1時間くらいっ。駅のそばにするから」

1人の男の人が手を伸ばしてくる。



避けられる間合いだったし普通に交わしたのに
フワッと体が包まれる。



「すいませーん、このコはここで失礼しますー」



聞き覚えのあるチャラい声。

振り返らなくても誰か分かる。



「あれ？北山君じゃん？」

面識がある人なのか誰かが言うと

「はい。俺、このコのコレなんで」

多分親指か何かを出したんだろう。


相変わらず昭和。



さすがに見えないけど

「「「おぉーーっ」」」

みんな酔ってるから普通に盛り上がってる。



「じゃあ北山君。後は頼むなー」

「はーいっ」



普通にみんなを見送る宏光。



そしてみんなが居なくなと

「………何やってんだよ」

宏光はギュッと抱き締めてきた。

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