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ジンクス(すぐ近くにいる ki) その後 3 ki ページ35

うちに帰るともう20時を過ぎてる。

Aからの返信は俺の

宏光勘違いしてねーか?

から無くて。
突然の飲み会の理由が俺なのが分かる。



もー！課長ッ！
余計な事しやがって！！

車の鍵を掴むと家を出た。



平日だから道がそこそこ混んでて
お台場に着いたのは22時を回ってる。

支店の人達が飲む場所は立地柄限られてるから
いくつか絞って
その近辺に車を停めると片っ端から店を探す。

と、ちょうどお店の前に人だかりが出来てて
その中にAが居るのが見えた。



…つーか、A。
お前以外全員オトコじゃねーか。

何でそんな飲み会に行くかなー。



ムッとしてると

「私はここで失礼します」

Aが言ってるのが聞こえる。



「「「えぇーーっ」」」

「あはは、明日も仕事ですから」



明るくかわしてるAがすごく笑顔で
何だかムカつく。



っつーか
彼氏が居るから、とか言わねーの？

俺はちゃんと言ってんのに。



……って事か。
この前俺が新人のコにしたのを見たAの心境はコレか。

Aがめちゃくちゃ傷ついたって事を
ものすごく実感した。



コレをAは味わったんだ。

ひでー事したな、って思ってはいたけど
ここまでダメージ受けると思わなかった。





「うち遠いんで。ごめんなさい」

だからAが断ってんのに

「いいじゃん、あと1時間くらいっ。駅のそばにするから」

ヤローがAに手を伸ばしたから。



てめーにはAを触らせねーよ。

後ろからAを抱き締める。



「すいませーん、このコはここで失礼しますー」



皆に声を掛けるとAが抵抗するけど
無理やりギュッと抱き締めた。



「あれ？北山君じゃん？」

何度か会ったりやり取りした事ある人に気付かれるから

「はい。俺、このコのコレなんで」

Aを抱えてない手で親指を出すと

「「「おぉーーっ」」」

みんなうれしそうに笑ってくれて。



心配するよーな事は無かったのかもしんない。

二次会に行く人達を見送る。



でも

「…何やってんだよ」

それとこれとは話が別。
ギューッてAを抱き締める。



「…離して」

泣きそうな声でAが言うけど

「やーだ。ぜってー離さねーから」

絶対に離すつもりはない。



「Aが目の前で『彼女居るから』って言ってもらえなかった時どんな気持ちか分かった。あの時、ほんとごめんな？」



改めて謝るけど

「知らない…っ」

Aはまだ色々許してくれそうも無い。

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