after Dahlia 16 ページ25
「あ」
ニカが呟く。
「忘れてた。俺つけてない」
ニカが私を抱きしめる手を解いて
愕然としてる。
なんの事か分からなくて
涙を拭ってニカを見上げると
「ブレスレット、つけて来なかった」
悲しそうな顔をしてるニカ。
…え？
何事かと思ったけど。
つけるつけないは自分の勝手だろうから別に構わないし
むしろ私は元々もうニカには会えないと思ってたから会えただけでどこか嬉しくて
ブレスレットの事なんて気にする？と思っちゃって。
それを顔に出しちゃうと
ニカが不満そうに私を見下ろす。
「出た、Aのそーゆー感じっ」
ニカは大層ご不満な様子。
「何でもっとワガママ言ってくんないの？不安なのを教えてくんないの？」
言いながらニカは涙目で
今にも泣き出しそう。
ベンチに座って私と目線を合わせると
「頼ってよ！ワガママ言ってよ！もっと怒ってよ！」
ものすごく真剣に
本当に辛そうに言ってくる。
すごく嫌だったのがさすがに伝わる。
「だって、ニカが困ると思って…」
ニカの笑顔が目の前で凍ったら
私は絶対平気じゃいられない。
なのにニカは首を振って
「Aが居なくなる方が困る」
キッパリと言う。
「疲れた時もAがうちに居るなら早く帰ろうって思うし、Aが一緒に寝てくれるからちゃんと寝るし、本当にAが大好きなの」
ニカは変装用のメガネ越しでもわかるくらい
目を真っ赤にさせてる。
「もうね、俺、A無しじゃダメなの」
ニカは涙声で。
「ねぇ、いいの？Aは俺無しでもいいの？」
目から涙が溢れてきたニカは
私を思い切り抱きしめて
「……ねぇ、いいの？」
鼻を啜るからもしかしたらニカは泣いてるかもしれない。
男の人が自分のした事で泣くのを
初めて見た。
ニカなしでいいか、なんて
「……嫌」
本当は嫌だ。
「ニカじゃないと、嫌。ニカがいないと、やだ」
なのに私は離れようとした。
でもそれは
「でも、ニカが、笑っててくれないのは、もっと嫌」
ただ、それだけ。
「……Aのバカ」
ニカは鼻を啜りながら呟く。
「Aがいないのに、笑えるわけないじゃん」
絞り出すみたいにニカから出てる声。
体も少し震えてる。
「A、言ってくれたじゃん。俺が居るから頑張れる、って。俺だってそーだよ？」
ニカに言われて
申し訳ないと思うと同時に
不謹慎だけどニカにとって自分がそんな存在になれたのが嬉しいとも思った。
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shizu(プロフ) - ばーばぱぱさん» コメントありがとうございます！まだ続くので良かったら是非また読みに来てください(*^^*) (2021年9月18日 15時) (
レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ばーばぱぱ - ニカあああああああ すうううきいいいいい (すごくいい小説でした){♭・・} (2021年9月16日 16時) (レス) id: c74ffed917 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - りんこさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると励みになります(^^)ニカちゃんとのカップルが本当に好きなので書いてて楽しいです。また読みに来ていただけると嬉しいです！ (2021年9月16日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - こんばんは。毎回更新を楽しみにしています。キュンキュンが止まりません。2人が幸せな時間を過ごすのが、本当に見ていて幸せです。 (2021年9月15日 22時) (レス) id: e70020d567 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ももまるさん» コメントありがとうございます！いまニカちゃんのリアコにどハマりしてて仕事は仕事で忙しいのでのんびり更新になってますが更新致しますのでまた読んでください☆応援ありがとうございます！ (2021年9月4日 10時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：shizu
| 作成日時：2021年9月3日 7時
