太陽の当たる場所 9

after Dahlia 2 side 2 ページ46

今日も帰りが
遅くなる。
日付が変わるちょっと前。



帰るとリビングに続く扉は真っ暗で
あぁ、Aは先に寝たな、なんてぼんやり思う。



シャワーを浴びて
1杯だけ飲もう、と思って冷蔵庫から氷を出して
水割りにするために冷蔵庫も開けると
おかずがいくつか入ってる。



あー、連絡遅かったんだ。

失敗した。



タッパーに詰められたおかず達。
めちゃくちゃ美味しそうなんだけど。

でもこの時間に食べたら太るな。



1杯だけ飲んでAがいるベッドに行くと
そーっとベッドに入ったのにAが起きちゃう。

「ごめん、起こした？」

抱き締めるとAが「んー」って唸って

「うん、起こされた」

ギュッて抱きついてくる。
そして胸元で深呼吸して「ふふっ」て幸せそーに笑う。



うわ、めちゃくちゃ可愛い。

疲れててもこんな姿見せられたら
一発で疲れも吹っ飛ぶわ。



寝ぼけた声で「おかえり」っていいながら
すぐ寝息を立てる。

あーもう、早く帰ってこんなAを堪能したいっ。

次一緒にゆっくり出来るときは
ずーっとこんなAを見てたいな。



前髪をめくってキスすると
めちゃくちゃ愛しくて。

満足するまで抱きしめた。



気がついたら朝で
もう出かける時間だった。



目の前には爆睡してるA。
緩んだ顔で、すー、すー、って寝息を立ててる。

「行ってきます…」

ちっちゃく呟くと

「んー、好きぃ…ニカー…」

寝ぼけて言ってくるから
もうホントヤバい。



マジで出かけたくない。

このままここで過ごしたくなっちゃう。



ニヤニヤしながらAを抱きしめて
ほっぺにキスをして仕事に行くと

「…二階堂さん」

車に乗ると小林ちゃんがものすごく真剣な顔をしている。



「…え、なに？」

「あの、仕事来ました。バラエティの」

「へ？」

「お笑いのお仕事です。二階堂さんが大好きなあの芸人さんと」



その芸人さんの名前を言われて

「え！！！！！！！！」

驚き過ぎてめちゃくちゃ大きい声が出ちゃう。



「え、え、マジで！？」

「はい」

「うわー！やったーー！！」



憧れの人との共演でめちゃくちゃテンションが上がる。



「実は、他の人で決まってたんですけどその人が急にダメになってそのピンチヒッターなんですけど」

「いい！なんでもいい！！」



絶対やる！！

やったー！！



でも小林ちゃんの顔が曇ったままなのが気になる。



「…どしたの？」

「………」



小林ちゃんが少しして重い口を開く。

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